24日(日本時間25日)、メジャーリーグ機構(MLB)は2023年レギュラーシーズンのスケジュールを発表した。
MLB2022 来季のスケジュール
これまでのスケジュールからの変更点をまとめてみた。
これまでとの違い① 開幕日に15試合
それによると開幕日は現地時間3月30日。これまでとの相違は、全球団が一斉に(同じ日)に開幕を迎えることだろう。
②インターリーグ戦が大幅増
シーズン162試合は変わらないが、大きな変更点は、各球団が全球団と対戦するスケジュールが組まれたことだろう。
具体的には同地区内の対戦が年間76試合(同地区4球団と各19試合)から52試合(同地区4球団と各13試合)に減り、同リーグ内対戦も66試合から64試合に減らしてその分でインターリーグが20試合から46試合へ増える。
ファンからすればこれまで数年に1度しか見られなかったヤンキース戦やライバル対決(カブス対ホワイトソックス戦、ヤンキース対メッツ戦)などの人気カードが増えるから大歓迎だろう。
③ライバル対決は年4試合、他は3試合
なお、この場合のインターリーグもライバル対決は4試合、それ以外の14球団とは3試合になるという。
「ライバル」チームとい規定が気なるが、例えばヤンキースとメッツ、カブスとホワイトソックスなど、大都市に2つのチームがある場合は、それになる。
ほかにはロサンゼルスのドジャースとエンゼルス、ガーディアンズとレッズの「オハイオ州対決」などは分かりやすいが、パドレスはどうなるのか?
ワイルドカードが各リーグ3枠に増えたこともあって各球団が平等なスケジュールで戦うことの重要性が増したということだが、背景には多額の放映権料を出しているメディアの影響力だろう。
メディアは視聴率や視聴数にこだわる為、数字の取れるカードを増やしたいのだろう。ワイルドカード枠を増やしたのもそのためだ。
③バランスをとってMLB全体を面白くする試み?
戦力が均衡すれば毎年リーグ戦が最後まで白熱して面白くなるが、強いチームが集まる地区とか弱い地区などの地区ごとのバラつきはどうしても出るものだ。
今季もALイーストは5チーム中4チームが勝率5割以上だがALウェストは4チームが5割以下。
戦力均衡は難しい課題だが、「平等でバランスの取れたスケジュール」ということを考えた最初の試みだろう。労使交渉で選手会側が主張していた「タンニング防止」にも多少は効果があるかもしれない。
MLBの日程調整は長い歴史の中で様々なことがあるのも分かるが、ファンが観たかった試合を増やすのは当然のことで、これまでが変則過ぎたのかもしれない。
それと様々な見解があるかもしれないが、観客入場者数が長期低落傾向のメジャーリーグが大スポンサーであるメディアの意向を汲んで考えたスケジュールだといえる。
放映権収入があっての球団経営だから世界一強いといわれるメジャーリーグ選手会もこれには何も言えないだろう。
④面白いカードが増える?
先にも書いたが、ファンにとっては面白いカードが観られて大歓迎だ。
ニューヨークのヤンキースファンもメッツファンも毎年インターリーグ戦でライバル対決が観られる上に、毎年、西海岸のトラウトや大谷の試合を楽しめる。
逆に西海岸のドジャースファンやエンゼルスファンも同じで、毎年ジャッジやハーパーのプレーを観られるというわけだ。
選手たちにとっては同地区内の対戦が減少することにより、移動の負担は大きくなるが、メジャーリーガーはチャーター機で移動して高級ホテルだから問題ない(時差は問題あり)。
しかし、移籍の多いメジャーで同地区内での移籍を躊躇することなく考えられるため移籍の選択肢が増えるという多少のメリットもあるかもしれない。
⑤オールスターやロンドンゲームは?
その他のスケジュールではオールスターゲームが現地時間7月11日にシアトルで22年ぶり。
ロンドンゲームは現地時間6月24~25日にカージナルス対カブス戦が2試合。
リトルリーグ・クラシックはフィリーズとナショナルズの対戦で現地時間8月21日に開催される。