MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

上原浩治 「世界を制した雑草魂」あのハイファイブを忘れない

※メジャーリーガー上原浩治が引退を決意したという報道を受けて紹介した記事の再ポストです。

 

 

上原浩治が引退を決意したという。あのボストン・レッドソックスでの2013年は興奮の連続だった。ここでは、上原のメジャーリーガーとしての功績を称えて紹介したい。

 

 

 

 

 

 

メジャーリーガー・上原浩治

 

「世界を制した雑草魂」

 
上原が直面した壁とはどんなものだったのか!

 

上原ハイファイブ 

 

2011年屈辱のポストシーズン

 

中継ぎとして、まさかの3試合連続で浴びたホームラン。

 

忘れもしない3冠王カブレラとの対戦。 野球人生で初めて「逃げた瞬間」。試合後、彼はロッカーで人目をはばからず泣いたという。

 

それでも這い上がってきた上原。

 

けっしてエリートではない上原の野球人生。そこに彼が、野球ファンに愛され、人々を惹きつける魅力がある。

 

 

怯(おび)えたら、打たれる

 

上原が登場するのは、試合の終盤。接戦で勝っている試合が多く、勝利の幕引きをする重要なポジション、クローザー。

 

彼が打たれれば、それは負け試合を意味する。

 

相手は、パワーとスピードに勝るメジャーリーガーたち。

 

そんな壮絶なプレッシャーがかかるマウンドの上で、彼が大事にしている流儀が、「怯えたら、打たれる」ということだ。

 

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「恐怖心でどうしようって考えた時点で負けなんで。自分より、すごい給料もらってるバッターが立ちました。何でこんなやつに打たれなあかんねんと思いながら投げてるし。負けると思ってやってるやつはいないと思うよ。それが勝負の世界でしょ。」(上原浩治

 

不安な気持ちでマウンドに上がれば、それがわずかなコントロールミスにつながり、痛打を浴びたり、よけいなフォアボールを出してしまう。

 

さらにピンチを招くと、精神的に負のスパイラルに入ってしまう。だからこそ上原は、絶対に怯えない。自分のボールを信じて真っ向勝負を挑むと決めている。

 

 

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徹底した“準備”が、 自分への自信につながる

 

日々、大きなプレッシャーにさらされるクローザーの仕事。

 

その重圧と闘う上で、上原が大切にしていることがある。それは試合中のことではなく、試合の前後に行う徹底した“準備”だ。

 

試合の日の朝、彼は必ず一番乗りで球場入りする。そして試合のあとも、必ず一番最後に球場をあとにする。

 

ナイトゲームの日は、試合の7時間も前に球場に入る。選手の中ではいつも一番乗りという。

 

球場で過ごす時間を増やすことで、誰よりも時間をかけてマッサージを受け、疲れを最小限に抑える。

 

さらにその上で、トレーニングなどの調整も誰よりも細やかに行う。

 

常に準備を徹底することで、自分の中で不安要素となりうるものを1つ1つ消していく。

 

そして毎日、それを怠らずに続けることで、「自分は誰よりも準備してきた」という自負が持てるようになっていくという。

 

「1日でも今日はいいやと思って準備を怠れば間違いなく打たれる。自分を信じられるようになるために、努力するわけ。練習するわけ。」(上原浩治

 

強気なピッチングだが、その強い気持ちを作り出しているのは、誰よりもコツコツと積み上げてきた地道な“準備”だ。

 

日々の楽しみは、試合後に飲む缶ビール1日2本まで 深酒はしないと決めているという。 

 

彼の生きざまを見ると「成功への条件が見えてくる」。スポーツに生きる人でなくても、教訓になることが多いだろう。