MLB メジャーリーグ物語

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【MLB移籍情報】カルロス・コレアの移籍先は?

 

 

アストロズカルロス・コレア遊撃手の移籍先について考えてみたい。先日公開されたMLB公式サイトの記者が選ぶ今オフのフリーエージェント選手トップ25でもカルロス・コレアがトップにランキングされていたからだ。

 

 

MLB移籍情報

 

最新の情報では、アストロズがコレア側に対して5年総額1億6000万ドルの契約をオファーしたようだ。年平均3200万ドルになる。

 

 

アストロズとコレアの残留(契約延長)交渉に関しては、今季の開幕前に5年総額1億2500万ドルを提示してコレア側が拒否していたという経緯がある。

 

 

 

昨年は調停を回避して1170万ドルだったコレアの年俸

 

コレアは年俸調停最終年だった昨年オフにも 期限までに合意せず、調停を回避して1170万ドルで決着した。コレア側の要求額が1250万ドルで球団提示が975万ドル。コレアの場合が要求額と球団提示額との開きが一番大きかった。

 

 

ただし、これはコレアだけがゴネたからではない。昨年は、年調1年目の大谷翔平など13人が期限までに決まらず大谷の場合は調停を回避して2年850万ドルで合意した。

 

 

故障歴が多いコレアは不利

 

メジャーキャリア7年、27歳のコレアは今季、148試合に出場。出塁率率.366.(打率279)、本塁打26、打点92、OPS.850を記録。

 

 

2015年にメジャーデビューして、レギュラーポジションを獲得した2017年からの5年間で毎年、負傷者リストに入り過去5回の故障歴がある。フル出場はなく2年目2016年の153試合出場が最高。

 

 

それから計算すると、アストロズが長期契約をオファーしない理由もわかる。規定打席の502打席をクリアしたのは、2016年と今季だけだ。

 

 

アレナド(カージナルス)と比較すると

 

ノーラン・アレナド内野手カージナルス)がロッキーズと8年総額2億6000万ドルで契約延長に合意したのが2019年2月。今とは社会状況は異なるが、単純にタイトルだけを比べてもアレナドはデビュー7年間で「本塁打王」3回、「打点王」2回、7年連続「ゴールドグラブ賞」受賞。それに比べるとコレアのほうがずいぶん見劣りする。

 

 

コレアはオールスターに2回選出されているが、タイトルは2015年の「新人王」ぐらい。アレナドは150試合以上の出場を8年間で5年記録、コレアは2年だけ。

 

 

ただ、今季は守備力が大幅に向上し、キャリアハイを大きく更新する守備防御点+21をマーク。この結果、初の「ゴールドグラブ賞」を獲得した。

 

 

故障歴の多い選手は長期契約の弊害になるのは当然だろう。球団も長期契約してキャリアの後半に不良債権になることを恐れるからだ。

 

 

コレア側が希望しているのは、フェルナンド・タティスJr.パドレス)やフランシスコ・リンドーア(メッツ)のような10年3億ドル超の契約という予想だが、今後は5年プラス1~2年のスパンの契約で、リンドーアの年平均サラリー3410万ドル、または内野手最高額であるアンソニー・レンドンエンゼルス)の3500万ドルが交渉ラインになりそうだ。

 

 

コレアに大金を出す球団は?

 

しかし、このコロナ禍で減収のこの時期にコレア側が要求するような高額オファーをアストロズが用意できるとは考えられない。

 

 

そうなればこれだけの高額を支払うことのできる球団は、ヤンキースドジャースぐらいしか思いつかない。一部では、遊撃手市場でコレアが恩師A.J.ヒンチ監督のタイガースという大胆予想もあったが、ヒンチはGMでもなくタイガースが大型補強に出るのは考えにくい。

 

 

ヤンキースも遊撃手が補強の優先事項の一つかもしれないが左打ちのコーリー・シーガーのほうがフィットしそうな気がする。アンソニー・リゾ一塁手との再契約もあり予算があるかどうか。

 

 

エンゼルスも遊撃手が補強ポイントだが、今後、大谷翔平との高額契約があり、先発投手の補強も課題。

 

 

エンゼルスは、以前にアルバート・プホルスとの長期契約の失敗。レンドーンも2019年2月に7年総額2億4500万ドルで契約したが、昨年は52試合、今季は58試合しか出場しておらず早くもに不良債権化の懸念などがあり長期契約はためらうだろう。大谷翔平か先発投手への投資以外に高額オファーは出さないだろう。

 

 

残っているのはドジャースぐらいだが、シーガーとの契約交渉が破談になった場合にに動き出すような気がする。

 

 

メジャーリーガーはプライドが高いが、人と比べても仕方がないことを学ぶべきだ。ある程度は妥協が必要だろう。今オフはスター遊撃手が多く、その契約状況にも影響される。

 

 

“ヒール”のイメージが付きまとうコレアも契約交渉が長引いたところでメリットは少ない気がする。

 

 

アストロズの5年1億6000万ドルプラス1年(6年総額2億ドル前後)の条件で合意するのが得策のような気がする。