MLBはアメリカンリーグ(AL)のワイルドカード(WC)枠がカオスな状態だ。
2日(日本時間3日)は、ヤンキースが敗れ、レッドソックスが勝ち、ブルージェイズも勝った。そのためWC2枠が最終戦まで決まらない状態になっている。
MLB2021 ポストシーズン
地区優勝の3球団以外に勝率上位の2球団もポストシーズンに進出できるという制度は、消化試合を無くしシーズン終盤を面白くするために考えられた制度で、考えてみれば毎年白熱するものだから、とくに大騒ぎするほどでもないが、今季に限っては90勝を超えた4チームがしのぎを削る白熱の戦いが続いている。
ちなみに、AL東部地区はすでにレイズが100勝を挙げて地区優勝(第1シード)を決めているが、2位以下もハイレベルな勝率で争っている。
地区2位のヤンキースが91勝69敗でALWC1位だったが、レイズに敗れて91勝70敗に。
そのヤンキースを1ゲーム差で追いかける3位レッドソックスは、同点で迎えた9回表に一挙4点を挙げて勝ち越しヤンキースと並びマジックナンバーを1に減らした。
レッドソックスは今季ヤンキースに直接対決で10勝9敗と勝ち越しているため、最終的にヤンキースと並んだ場合、ワイルドカードの第1ポットを獲得し、規定によりワイルドカード・ゲーム(1試合のみ)を本拠地で開催できる。逆王手のような展開になった。
さらに複雑なのは地区4位のブルージェイズが9月以降は21勝10敗と上位3チームを追い上げて90勝の大台に乗せたことだ。
AL東部地区は90勝以上が4チーム
これによりAL東部地区は、残り1試合の状況で、下記のような展開になっている。
レイズ 100勝61敗
レッドソックス 91勝70敗
ヤンキース 91勝70敗
ブルージェイズ 90勝71敗
MLBは、1994年に地区再編成で東西の2地区制から3地区制に移行したが、それ以降、1地区でシーズン90勝以上が4球団も出るのはこれが初めて。
2002年にはAL西部地区でアスレチックス103勝、エンゼルス99勝、マリナーズ93勝と4球団中3球団が、90勝シーズンを達成。2005年にもAL中部地区で3球団が90勝以上をマークし、その後も同地区3球団が90勝以上したケースは数回あるが、さすがに4球団が90勝以上するのは珍しい。
さらに、AL西部地区のマリナーズもエンゼルスに逆転勝ちして90勝71敗で20年ぶりのポストシーズン進出に向けて可能性を残している。