MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

今季インパクトを残したルーキー⑤ シクスト・サンチェス(マーリンズ)

 

今季インパクトを残したルーキー⑤

 

シクスト・サンチェス(マーリンズ

 

ダルビッシュとの投げ合いは圧巻だった

 

今季、印象を残したルーキー(資格のある)選手たちを紹介しているシリーズ第5弾は、ワイルドカード・ゲームでカブスダルビッシュ有と見応えのある投手戦を演じたマーリンズシクスト・サンチェス投手を紹介したい。

 

 

あのワイルドカードGAME2での100マイルに達する速球はインパクトがあった。

 

主軸のアンソニー・リゾは2ストライクに追い込まれるとバットを一握り短く持つが、この日の第2打席は初球からバットを短く持っていた。

 

カブスの中心打者は、同シリーズで不調が目立ったが、対戦した投手が好投したことも要因だろう。 

 

 

22歳のドミニカンは伸びしろあり

 

ドミニカ共和国出身の22歳で2015年2月にフィラデルフィア・フィリーズと契約。2018年のMLB.comプロスペクト・ランキング26位、フィリーズの組織内では1位だった。

 

剛速球投手の多くが抱える問題として肘への負担が考えられるが、彼も18年シーズンの6月に肘の炎症でチームを離脱し、それ以降、シーズン中に復帰することはなかった。

 

転機になったのは2019年2月のトレードでJ.T.リアルミュートとのトレード。

 

サンチェスは、交換要員でマーリンズに移籍。このトレードは、リアルミュートに対してフィリーズがサンチェス、ホルヘ・アルファーロ捕手、ウィル・スチュワートとインターナショナル・ボーナス・プール(海外選手契約金枠)を差し出すという1対3プラス「海外選手契約金枠」の複数大型トレードだった。

 

2019年の夏には、オールスター・フューチャーズゲームにも選出されマイナー通算では4年間で48試合登板(39先発)、221回1/3を投げて防御率2.48、15勝12敗、奪三振191。

 

今季8月22日にメジャー初昇格を果たし、デビュー戦ではワシントン・ナショナルズ相手に先発して5回3失点で初登板初勝利を挙げた。

 

今季の成績は3勝2敗、39イニングで防御率3.46、FIP3.50、WHIP1.205。奪三振33、奪三振率7.62、与四球11、与四球率2.54。

 

奪三振率はあまり高くないが、今後、制球力が改善されるとアップしてくるだろう。あの吹き上がるように伸びてくるフォーシームは威力抜群だ。

 

 

サンチェスのデータ分析

 

スタットキャストのデータでは今季のファーストボールの平均球速が、デブローム(メッツ)、ダスティン・メイ(ドジャース)に次いで先発投手の中ではMLB3位の97.6マイルを計測している。

 

今季の配給を調べると4シームは24%と意外に割合が少なくチェンジアップ27%、スライダー26%、シンカー(2シーム系)23%だった。緩急の変化が少ない配給で、それが意外と奪三振率が低い原因かもしれない。