今季インパクトを残したルーキー⑤
シクスト・サンチェス(マーリンズ)
ダルビッシュとの投げ合いは圧巻だった
今季、印象を残したルーキー(資格のある)選手たちを紹介しているシリーズ第5弾は、ワイルドカード・ゲームでカブスのダルビッシュ有と見応えのある投手戦を演じたマーリンズのシクスト・サンチェス投手を紹介したい。
The world is getting to know Sixto Sánchez. 🔥
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— MLB (@MLB) October 2, 2020
あのワイルドカードGAME2での100マイルに達する速球はインパクトがあった。
主軸のアンソニー・リゾは2ストライクに追い込まれるとバットを一握り短く持つが、この日の第2打席は初球からバットを短く持っていた。
カブスの中心打者は、同シリーズで不調が目立ったが、対戦した投手が好投したことも要因だろう。
22歳のドミニカンは伸びしろあり
ドミニカ共和国出身の22歳で2015年2月にフィラデルフィア・フィリーズと契約。2018年のMLB.comプロスペクト・ランキング26位、フィリーズの組織内では1位だった。
剛速球投手の多くが抱える問題として肘への負担が考えられるが、彼も18年シーズンの6月に肘の炎症でチームを離脱し、それ以降、シーズン中に復帰することはなかった。
転機になったのは2019年2月のトレードでJ.T.リアルミュートとのトレード。
サンチェスは、交換要員でマーリンズに移籍。このトレードは、リアルミュートに対してフィリーズがサンチェス、ホルヘ・アルファーロ捕手、ウィル・スチュワートとインターナショナル・ボーナス・プール(海外選手契約金枠)を差し出すという1対3プラス「海外選手契約金枠」の複数大型トレードだった。
2019年の夏には、オールスター・フューチャーズゲームにも選出されマイナー通算では4年間で48試合登板(39先発)、221回1/3を投げて防御率2.48、15勝12敗、奪三振191。
今季8月22日にメジャー初昇格を果たし、デビュー戦ではワシントン・ナショナルズ相手に先発して5回3失点で初登板初勝利を挙げた。
今季の成績は3勝2敗、39イニングで防御率3.46、FIP3.50、WHIP1.205。奪三振33、奪三振率7.62、与四球11、与四球率2.54。
奪三振率はあまり高くないが、今後、制球力が改善されるとアップしてくるだろう。あの吹き上がるように伸びてくるフォーシームは威力抜群だ。
サンチェスのデータ分析
スタットキャストのデータでは今季のファーストボールの平均球速が、デブローム(メッツ)、ダスティン・メイ(ドジャース)に次いで先発投手の中ではMLB3位の97.6マイルを計測している。
今季の配給を調べると4シームは24%と意外に割合が少なくチェンジアップ27%、スライダー26%、シンカー(2シーム系)23%だった。緩急の変化が少ない配給で、それが意外と奪三振率が低い原因かもしれない。