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【MLB移籍情報】エンゼルスのコール獲得に立ちはだかる代理人ボラス

 

アメリカでは例年、11月の最終木曜日「Thanksgiving Day」(感謝祭)の休暇が明けると、クリスマスの「Happy Holidays」まで、恒例のショッピングシーズンが始まる。

 

返品できることを良いことに買いまくるのが、アメリカの消費者傾向だが、選手の獲得(補強)となるとそう簡単にはいかない。

 

MLB移籍情報

 

エンゼルスのゲリット・コール獲得に立ちはだかる代理人スコット・ボラス

 

 

MLB公式サイトのリチャード・ジャスティスは、「Here are 9 perfect free-agent fits」というコラムの中で、エンゼルスとゲリット・コール投手の関係を「フリーエージェント市場で実現し得る契約としては完璧に近いものである」と表現している。

 

カリフォルニア州オレンジカウンティのニューポートビーチ出身のコールは大金を得て地元球団でプレーすることができ、エンゼルスは念願の地元出身でUCLAのスターだったエースを獲得することができるため、両者にとって理想的な契約であるというわけだ。

 

しかし、MLB公式サイトの別の記事では、ニューヨーク出身のパトリック・コービン投手がヤンキースに移籍できなかった昨年の例を挙げて“地の利”だけでは、必ずしもその選手の獲得に成功するわけではないことを解説している。

 

コービンの場合は、金銭面での条件の折り合いがつかなかったことが大きな要因だったが、ゲリット・コールの代理人を務めるスコット・ボラスは、コールが「勝てるチームであること」を重要視していることを強調しているからだ。

 

さらに、優先順位として「地理的条件は、チャンピオンリングを獲得するという目標を継続的に狙えるチームであることほど重要であるとは思わない」とGM会議の場で発言。「コールの場合も同様で、私はその目標を達成できるように最善を尽くすよ」とあくまでもワールドシリーズ制覇が最重要であることを明言したという。

 

この発言が物議を醸していることは言うまでもない。代理人ボラスの存在は、選手にとっては心強いビジネスパートナーではあるが、対峙する球団にとっては厄介な存在である。

 

エンゼルスは、ワールドシリーズどころかリーグ優勝決定シリーズに進出したのも10年前の2009年。この10年間で地区優勝は1度しかできていない。

 

ただ、エンゼルスはフロントを改革。ブラッド・オースマス監督を1年で解雇し、智将ジョー・マドンを招聘。ミッキー・キャラウェー(前メッツ監督)を投手コーチ。カージナルスを世界一に導いた野球殿堂入りのトニー・ラルーサ氏が野球部門のシニア・アドバイザーとしてフロント入りさせるなど新首脳陣で来季を迎える。

 

この新体制は、コールの獲得にインパクトをもたらすのか、スコット・ボラスの目には魅力的な球団に映るのだろうか。

 

 

▽記事参考

https://www.mlb.com/news/mlb-free-agency-perfect-fits