フェンウェイでの人種差別発言でレッドソックスが謝罪
ボストンのフェンウェイ・パークで1日(日本時間2日)、レッドソックス対オリオールズ戦の試合中に、オリオールズのアフリカ系アメリカ人のアダム・ジョーンズ外野手が、客席のファンから人種差別発言を受け、ピーナツを投げつけられるなどの「人種差別」行為が発生した。
これを受けてレッドソックスは、ケネディ球団社長が、同選手とオリオールズに謝罪の声明を発表。「ジョーンズ選手とオリオールズに謝罪したい。球団は、このような行為を許さないし、その人は観戦する資格を失うことになる」という球団社長の声明を出した。
レッドソックスは事実関係について、詳しく調べていることを明らかにし、一切の差別的言動を排除する意向を明かにした。
昨日の試合中、差別用語を浴びるなど人種差別を受けたジョーンズ(BAL)を敵地ファンが拍手で迎え、ジョーンズの差別と戦う姿勢を支持
これはベッツ(BOS)がツイッターで呼びかけ実現したもので右翼を守る同選手も拍手を送りました
— ボブはやし Bobble Hayashi (@mlb_bobblehead) 2017年5月3日
レッドソックスのムーキー・ベッツ外野手はツイッターで「僕も黒人だ。差別には反対。レッドソックスのファンはもっとましなはずだ」とジョーンズ外野手を擁護するなど、選手間、特にアフリカンアメリカンの選手にもショックが広がっている。
また、MLB(大リーグ機構)のマンフレッド・コミッショナーやボストン市長も遺憾の声明を発表するなど、異例の事態に発展している。
マンフレッド・コミッショナーは「人種差別的な言動は全く受け入れられず、どの球場でも容認されるものではない。追加の措置も検討する」という声明を発表した。
米国社会で黒人に対する蔑称である人種差別用語、通称「Nワード」が黒人選手をターゲットに連呼されて瞬く間に全米に広がった。これは、深刻な事件として広がりを見せている。
ニューヨークでは、ヤンキースの左腕エース、CC.サバシア投手が2日、「メジャー30球団で唯一、Nワードで呼ばれるのはボストンだ。2017年の現在で、こんなことがあるなんて悲しい」と発言している。
アダム・ジョーンズのボストンでの人種差別が大きな騒動になってさらに広がりを見せていますね。NYのヤンキースタジアムでもこの話で持ち切りです。レジェンドのレジー・ジャクソン氏も心底憤ってやるせない表情だった。
— Shoko Mizutsugi 水次祥子 (@mizutsugi) 2017年5月2日
❏「Nワード」とは?
Nワードとは黒人を人種差別的に扱う表現。Nigger、nigga、Negro などの語が該当する。世界中のどの言葉にも、相手を罵る際に用いるような口汚い表現、下品な表現、使うべきでないと見なされる表現があり、英語にもそうした表現がある。
英語では vulgar words (野卑な言葉) swear word(罵り文句)、dirty word(汚い言葉) などと総称され、どれも基本的にはスラングになる。
英語では 特定の vulgar words に対する姿勢は非常に厳しく、公の場での発言は激しく叱責され、状況と立場によっては職を追われることにもなる。
記事参考:
https://eikaiwa.weblio.jp/column/knowledge/dirty-word