中後悠平の挑戦は続く!
元ロッテでダイヤモンドバックス傘下3Aリノ・エーシズに所属した中後悠平投手が、メジャーキャンプに参加することが決まった。現地9日、球団公式ツイッターが発表した。
この日、Dバックスは、球団公式ツイッターで、メジャーキャンプに参加招集するマイナー契約の14選手を発表。
中後の背番号は「64」。 昨年は、ビザ取得が遅れてスプリングキャンプには参加できず、ルーキーリーグが始まった6月にデビュー。そうした経緯から今年が初めてのメジャーキャンプになる。
The following non-roster players have been invited to #DbacksSpring camp. pic.twitter.com/z4VVYeMP7S
— Arizona Diamondbacks (@Dbacks) 2017年1月9日
ここでも昨年8月20日に紹介したが、中後は、そのマイナーデビュー戦が鮮烈だった。
6月22日、4番手として8回表、2アウト、ランナー2塁の場面からマウンドに立った。まず、最初の打者を空振りの三振に仕留めて8回を無失点。
9回も1安打を許したものの後続を三者連続三振に打ち取った。1回1/3を被安打1、奪三振4の上出来のデビューだった。
というのも標高の高いマイルハイの乾燥地帯に本拠地を構える3Aリノは、通常よりもボールが飛ぶ打者有利なヒッターズパーク。
Dバックスの同地区にはデンバーのマイルハイに位置するコロラド・ロッキーズなどが所属しているので、三振の獲れる投手は優遇される。
そうしたパークファクターに中後はハマった。
3A昇格後は、貴重なリリーバーとして13試合連続無失点で自信をつけた。9月には40人枠に広がるメジャーで、カブスの川﨑宗則のようにコールアップされる可能性もあった。
今回キャンプに呼ばれた「招待選手」と日本では紹介されているノン・ロースター・インバイティー(ロースター枠外選手)は中後を含め14人。うち投手は10人。
メジャーのブルペン登録は通常7人。左腕のリリーバーは1人から2人。この枠を先発ローテーションの投手を外した約15人の40人枠登録のリリーバーと、この招集された10人の投手で争うことになる。
Dバックスの補強ポイントは、リリーフ投手。リリーフ陣のスタッツはMLBで27位。
クローザーは、3月に40歳になるフェルナンド・ロドニーをFAで獲得したが、70試合に登板したダニエル・ハドソンがFAでパイレーツに移籍。50試合以上を投げたのはランドール・デルガド、ジェーク・バレットの2人だけ。
とくに左腕のリリーバーはスティーブ・ハサウェイが14回2/3で防御率4.91、アンドリュー・チャフィンが22回2/3で同6.75と弱く中後にも十分にチャンスはある。
まずは、40人枠のメジャー登録が目標。そして開幕メジャー25人枠のアクティブ・ロースター目指してスプリングキャンプに参加することになる。
◆中後 悠平 (なかうしろ・ゆうへい)
近大新宮高(和歌山)から近大を経て2012年にドラフト2位でロッテに入団。変則左腕としてロッテでは実働3シーズンで計37試合に救援登板し、2勝2敗6ホールド、防御率5.68だった。 しかし、15年は1軍登板なし、オフには戦力外通告を受けた。
プロ野球選手の最後の復活チャンスとなる「12球団合同トライアウト」でも結果は出せず、地域リーグのBCリーグ・武蔵ヒートベアーズ(埼玉県)に入団した。
しかし、その一部始終が、TBS系列の人気ドキュメンタリー「プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男」の2015年版で取り上げられ、その番組を見たメジャーのスカウト達の目に止まった。
メジャー3球団から招待選手としてスプリングキャンプへオファーを受ける中、アリゾナ・ダイヤモンドバックスとマイナー契約に至った。 ビザ取得が遅れてスプリングキャンプには参加できず、ルーキーリーグが始まった6月にデビューしている。