現地5日、雨天で1日順延したヤンキースのホーム開幕戦に田中将大が2年連続の開幕投手としてマウンドに立った。
日本人投手としては、野茂英雄、松坂大輔、黒田博樹に続いて史上4人目となる開幕投手。2年連続は野茂(ドジャース、03~04年)に次いで2人目。
快晴のために画面ではわからなかったがMLB公式サイトによれば気温2度、風速は18mph(約8メートル)という肌寒いコンディションだった。
田中にとっては昨季ワイルドカードゲームで敗れたアストロズとのリベンジマッチ。しかも相手先発は昨季サイ・ヤング賞左腕のダラス・カイケル(28)。ヤンキースとは昨年、2回対戦して1点も与えていないピッチャーだ。
試合は、ヤンキースが3回、ベルトランのセンター前打を足場に築いた2死二、三塁で、カブスから移籍のカストロ遊撃手が左翼線ギリギリへタイムリー二塁打を放ち2点を先制し、田中を援護した。
3回まで三者凡退に打ち取っていた田中は4回、先頭のアルトゥーベのレフトライナーを、移籍加入のヒックスが目測を誤って捕球できず二塁打とされてしまう。
ガードナーに代わって出場したヒックスは、ヤンキースタジアムに慣れていなかったのかもしれないが、メジャーリーガーなら取れていた打球だった。
結局、ロイヤルズやジャイアンツを見てもわかるようにスモールベースボールがリーグを制する時代に、こうした細かいミスを連発するヤンキースは今年もダメなんだろうな、と思わせるプレイが多かった。
次の2番スプリンガーの打球は、三塁前のボテボテ内野安打。田中にとっては不運な展開だった。これで無死一、三塁となり、続くコレアの三ゴロ間に1点を失った。
最速でも90マイル(約145キロ)しか出ない中で、ツーシームやカットボールを中心に制球重視の投球で必死に踏ん張ろうとするエースを大味な試合しかできないナインが足を引っ張る展開だった。
惜しかったのは6回に2死からコレアに投げた80球目。1球目のアウトコースがボールと判定された後の2球目。真ん中のスプリットが落ちずにライトに上がった打球は、レフトからライトに吹いていた風に乗ってスタンドに吸い込まれた。
田中は続くラスマスに四球を与えたところで交代が告げられた。球数87球(ストライク51球)。5回2/3を投げて被安打4、失点2、四球1、奪三振4。ゲームスコア(GSc)56だった。手術明けの最初の登板にしては悪くもないスタッツだった。
しかし、昨年のワイルドカードのリマッチで、同じ先発の投げ合い。狭いヤンキースタジアムで懸念された一発が命取りになったという、田中にとっては悪いイメージが残った開幕戦だった。試合は、ヤンキースの中継ぎが打たれ3-5でヤンキースの敗戦。
カイケルは尻上がりに調子を上げ7回を投げ切って今季1勝目(GSc64)。昨年20勝でリーグ最多勝、最多イニングを投げた片鱗を見せつけた。