MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

ブルージェイズのドナルドソン内野手が年間最優秀選手

 

メジャーリーグ選手会は9日、選手間投票による各賞を発表し、ブルージェイズジョシュ・ドナルドソン内野手が今季の年間最優秀選手「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」とア・リーグの最優秀選手に輝いた。

 

 

MLBPA Players Choice Awards 2015

 

プレイヤーズ・チョイス賞MVP

 

「選手間投票によって選ばれたことに意味がある」とコメントを寄せたドナルドソンは、アスレチックスから移籍1年目の今季、主に三塁手として158試合に出場。打率.297、OPS.939、41本塁打をマーク。さらに123打点で打点王のタイトルを獲得した。

 

 

遅咲きのプレイヤーといった印象のドナルドソンは、カブスの2007年ドラフト1巡ピック(全体48位)。捕手として入団したが目が出ず、翌年の08年には、その後、阪神に移籍するマット・マートンらと共にアスレチックスに複数トレードで移籍。

 

アスレチックスでは、三塁手に転向。12年に2年ぶりにメジャー再昇格すると持ち前の長打力を武器に徐々に頭角を現した。

 

現地で取材するナガオ勝司氏が「Number Web」に載せたコラムによればドナルドソンが潜在能力の高さを証明したのは、12年8月以降だったという。

 

マイナー降格前は打つ時に左足を何度も地面に着く、落ち着きのない打ち方だったが、メジャー復帰後は「一本足」とは言わないまでも、早めに足を上げて始動してボールを待つようになり、じっくり球筋を見きわめるようになったのだろう。

 

不利なカウントでもボール球に手を出さないバッティングスタイルを貫いた事で、13年には四球が大幅に増えて出塁率ア・リーグ6位となる.384をマーク。打撃成績が向上し出したという。

 

「打席での球の待ち方を変えたんだ。(軸足に)力を溜める動作とでも言えばいいのかな? 今では余裕をもってタイミングを取れるし、球も良く見えるから、その球を振るのか振らないのかの判断も容易に出来るようになった」

 

ドナルドソンがそう言ったのは、2014年のキャンプでのことだ。彼はその前年、MVP投票で4位に食い込んでいる。

 

ちなみに日本人投手との対戦は、過去5年間で

 

《vs.田中将大》13打数、1安打、打率.077、1HR、4三振

《vs.岩隈久志》20打数、3安打、打率.150、5三振

《vs.田澤純一》09打数、3安打、打率.333、1HR、1三振

 

 

 

一方、ナ・リーグの最優秀選手には今季42本塁打で、こちらも本塁打王のタイトルに輝いたナショナルズブライス・ハーパー外野手(23)が選出されている。

 

また、最も活躍した新人に贈られる「アウトスタンディング・ルーキー」には、ア・リーグからアストロズカルロス・コレア内野手(21)、ナ・リーグからはカブスクリス・ブライアント内野手(23)が選ばれた。

 

 

カムバック賞には、ア・リーグからレンジャーズのプリンス・フィルダーナ・リーグからはメッツのマット・ハービーが選ばれた。

 

このカムバック賞、昨年は楽天で2013年に活躍したケーシー・マギー(当時マイアミ・マーリンズ)が受賞している。マギーは、その後、ジャイアンツへ移籍、数字を残せずDFA。今季はシーズン途中でマーリンズへ復帰したが、トータル打率.198と不振を極めた。