MLB メジャーリーグ物語

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ドジャースがベッツを正遊撃手として起用へ ラックスの守備面での不安が原因

 

 ドジャースが今季のウィークポイントと考えられた遊撃のポジションで修正に動いているので紹介したい。現地8日(日本時間9日)、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督はムーキー・ベッツ内野手が遊撃手に転向することを明らかにした。

 

 

ドジャース  

 

 ドジャースは今季、ベッツを本格的に二塁手として起用する予定だったが、遊撃手のレギュラー候補ギャビン・ラックスに送球面での不安定さが目立ち、それを改善して守備面を強化するために二遊間を入れ替えることにしたようだ。

 

 ラックスはメジャー5年目の26歳。昨季のスプリングトレーニングで右膝の前十字靭帯と外側側副靭帯を断裂しシーズンを全休。今季は復活を期待されたシーズンとなるが、膝への負担も考慮しての措置かもしれない。

 

 

 

 

 ベッツはもとはセカンドベースマンだったが、メジャーではその打力を生かすためにキャリア通算10年間で右翼手978試合、中堅手223試合だった。

 

 その身体能力の高さからMVP級のスーパースターでありながら、複数ポジションをこなせる選手だが、二塁手としては100試合の経験はあるものの遊撃手は僅か16試合しか守備機会はない。

 

 MLB公式サイトによるとロバーツ監督は、ベッツとラックスの両者と話し合いを行い、両者からの同意を得たうえで、決断を下したという。その上で指揮官は「失点を防ぎ、勝つチャンスを増やすために、球団組織全体として最善の選択だと思っている」とコメント。

 

 「ギャビンは近年、ショートよりもセカンドでプレーすることが多かった。だから、彼をセカンドに戻し、投げる距離を短くしてあげることで、全体的に身体への負担を減らし、成功を収めるチャンスを与えることができる」と二遊間の入れ替えを決断した理由について説明した。

 

 

 二遊間はスキルポジションだけにドジャースファンとしては、開幕直前での変更にレギュラーシーズンへの不安を感じるが、ベッツ本人は「間違いなく大きな変化だけれど、楽しみでもある」とコメント。

 

 「これ以上のプレッシャーはないよね。ドジャースの選手である以上、常に大きなプレッシャーを感じているけれど、ドジャースの正遊撃手を務めることはさらにプレッシャーが大きくなる。でも、僕はそれが好きだし、楽しみたい」とチームリーダーらしいポジティブなコメントを残した。

 

 不安面はさっそく露呈された。この日ベッツは「1番遊撃」で先発出場。初回からさっそく守備機会が訪れたものの、三遊間寄りのゴロをバックハンドで捕れずレフト前へ安打を許してしまった。

 

 

 

 また、併殺打の際にはラックスの一塁への送球がワンバウンドになるなど、ドジャースの二遊間には不安が残るシーンが見受けられた。

 

 スプリングトレーニング中に課題が発見されてチームとして修正していくのは大事なことだ。ドジャースには内外野を守れるクリス・テイラーやキケ・ヘルナンデスといった経験豊富なユーティリティプレーヤーたちがいるので、ラックスの調子次第では、彼らが活躍する場面が見られるかもしれない。