60試合制だった2020年の変則シーズンから162試合制になりそうなメジャーリーグだが、4月終了時点でのディビジョンリーダー(地区首位チーム)を紹介したい。
各地区の首位チーム
■アメリカン・リーグ
《東部地区》レッドソックス
昨年はシーズン前の2月にトレードでムーキー・ベッツとデービッド・プライスを放出。コストカットの編成で戦力が大幅ダウンし地区最下位に低迷したが、2021年はコーラ監督が1年ぶりに指揮官へ復帰。
宿敵ヤンキースとの間で7年ぶりとなるトレードを成立させ、通算127ホールドの右腕アダム・オッタビーノを獲得した。
開幕3連敗の後、9連勝して、その時の貯金で4月は首位をキープした。コマ不足の先発陣をブルペンのマット・バーンズ、オッタビーノ、新加入のマット・アンドリース、澤村拓一らが支えている。
チーム打率でリーグ3位の打撃陣もザンダー・ボガーツ、J.D.マルティネスを中心に好調だ。ヤンキースが地区最下位ともたついている間に首位を固めたい。
《中部地区》ロイヤルズ
4月後半の5連勝で首位に立ったロイヤルズ。ダニー・ダフィーを軸にした投手陣とオフに補強したカルロス・サンタナ内野手やアンドルー・ベニンテンディ外野手が機能している印象がある。
前田健太所属のツインズが9勝15敗と出遅れている。
《西部地区》アスレチックス
アスレチックスは昨年の地区優勝メンバーからヘンドリックス、セミエンのブルペンと先発ローテの主力が抜け、さらにスプリングトレーニング前に大型トレードで主砲クリス・デービスと若手捕手ジョナ・ハイムを放出。下馬評の低かったアスレチックスだったが、開幕6連敗から13連勝で好スタートをきった。
昨年も地区優勝しており、不思議ではなかったが、マリナーズが1ゲーム差の2位で、それはサプライズだった。
■ナショナル・リーグ
《東部地区》フィリーズ
13勝13敗で4月を終えたフィリーズが地区首位で、最下位マーリンズまで1.5ゲーム差で混戦になっている。
その原因はブレーブスが開幕ダッシュに失敗したことやメッツやナショナルズに新型コロナウイルスの感染が広がってベストメンバーを組めなかったことが影響している。
《中部地区》ブルワーズ
毎年混戦になる地区だが、4月はブルワーズが頭ひとつ出たイメージだ。その原因は、メジャー屈指の先発ローテだろう。チーム防御率でもMLB30球団中3位だ。
《西部地区》ジャイアンツ
4月はパワーランキングMLB1位のドジャースを抑えて投手陣が好調のジャイアンツが首位に立った。例年、ドジャースが独走する地区だが、今季はダルビッシュ有らを補強したパドレスも対ドジャース戦で好勝負を演じ、三つ巴の様相を呈している。
ジャイアンツにとっては5月の前半で対戦するパドレス戦6試合が山場になる。