MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

俺たちのエースはコイツだ③ ツインズは前田 ドジャースはカーショーが開幕投手

 

MLB2021 OpeningDay

 

俺たちのエースはコイツだ③

プライドの高いメジャーリーガー。とくに“エリートスターター”と呼ばれる先発ローテーションの1、2番手たちにとっては、開幕戦のマウンドに立つことほどプライドをくすぐられることはないだろう。エースの誇りということかもしれない。

 

「特別な日」ではなく 「シーズンの162分の1」とする意見もあるだろうが、このブログでは毎年、「俺たちのエースはこいつだ」と題して、その「特別な日」の先発投手たちを紹介している。

 

気が早いかもしれないが、その第3弾はこれ!

 

 

前田健太がメジャーで初の開幕投手に決定

 

朗報が届いた。ツインズの前田健太が現地時間4月1日(日本時間2日)に行われるブルワーズとの開幕戦に先発登板することが決まった。ツインズのロッコ・バルデリ監督は9日(同10日)のオリオールズとのオープン戦の試合後に伝えていたという。

 

前田は日本でも広島時代に開幕のマウンドに5度登板しているが、メジャー移籍後は、これが初めてになる。

 

前田は昨シーズン11試合に先発して66.2イニング、6勝1敗、防御率2.70、FIP3.00、WHIP0.750、奪三振率10.8、与四球率1.4というキャリアハイの成績でサイ・ヤング(CY)賞投票でもインディアンスのシェーン・ビーバーに次いで2位に入った。

 

選手個々の契約にもよるが、CY賞で3位以内にはインセンティブ出来高賞与)が与えられるケースがあるぐらい値打ちのある賞だ。

 

前田は「初めてメジャーに来たとき、開幕投手を務めるなんて夢にも思わなかった」、「キャリアで最高のスプリング・トレーニングを過ごすことができている。去年、素晴らしいシーズンを過ごせたから、それが自信につながっている」とコメントしている。

 

前田に関しては、メジャーリーグ公式サイトでも評価は高く、前田がドジャースでの4年間で右打者を打率.199に抑えていたことなどを紹介。これは球界トップクラスの数字だ。

 

左打者に対しても昨季はスライダーが有効的で、スライダーを多投することで成績向上につなげた、と分析している。成績予想システムの「PECOTA」でも防御率2.65という高い数値を予想している。

 

 

 

ドジャース開幕投手はカーショー、アストロズはグリンキー

 

ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は今季の開幕投手クレイトン・カーショーが務めることを発表した。2018年以来3年ぶり9度目の開幕投手になる。

 

カーショーは昨年も指名されていたが、故障もあって急遽代わりに若手のダスティン・メイが先発した。そろそろ世代交代でウォーカー・ビューラーあたりが指名されるのではないかと考えていたが、プロスポーツの世界に限らず、やはり実績が優先するのだろう。

 

アストロズもダスティ・ベイカー監督は実績のあるザック・グリンキーを指名した。通算5度目の開幕投手になる。これは順当だろう。以前と比べてジャスティン・バーランダーゲリット・コールもいないアストロズの先発ローテーションだから、誰が監督をやっても迷うことのない選択だろう。

 

ただ、ドジャースのカーショーもアストロズのグリンキーも開幕戦の成績は良くなかったイメージがある。これだけの大投手たちでも相当なプレッシャーがあるのかもしれない。

 

インディアンスの開幕投手はビーバーに決定

 

インディアンスのテリー・フランコーナ監督は12日(日本時間13日)、昨季に続いて今季もシェーン・ビーバー開幕投手を務める予定であることを明らかにした。2年連続2度目の開幕投手だ。

 

ビーバーのこの数年の成長は目覚ましい。コーリー・クルーバーなどが強力ローテーションを形成して2017年にはMLB新記録となる22連勝を記録。それを支えたのは「投手王国」だった。

 

しかしながら、その頃、ビーバーは先発ローテーションにはいなかった。活躍し出したのは翌年からだ。

 

2018年5月に昇格してからは7回雨天コールドながらノーヒットノーランを達成。23歳の誕生日にメジャー契約した。

 

2019年は15勝8敗、防御率3.28、259奪三振の好成績を残し、初選出のオールスター・ゲームではMVPを受賞。先発ローテションの中核に成長した。

 

昨季は開幕から圧巻の奪三振ショーでその存在をアピール。12試合に先発して77.1イニングを投げ、8勝1敗、防御率1.63、FIP2.07、122奪三振という素晴らしい成績で投手部門の三冠を獲得してサイ・ヤング賞を受賞した。

 

勝利数・防御率奪三振数の3部門はいずれも両リーグ1位。「オールMLB」のファースト・チームにも選出されている。

 

だから、フランコーナ監督は「(誰が開幕投手を務めるかということは)たぶん大きな秘密ではないだろう」と笑顔でコメントしたという。「当然のことを聞くなよ」という感じなんだろう。

 

 

 

すでに開幕投手を指名しているチーム

 

公式サイトにも出ていたが、ヤンキースは2年連続でリット・コール開幕投手に指名。コールは通算4度目。

 

マリナーズはエース左腕のマルコ・ゴンザレスが4年連続4度目の開幕投手に指名されている。菊池雄星でないのが残念だ。マリナーズは2009年から10年連続でフェリックス・ヘルナンデス(現オリオールズ)が開幕投手を務めていた。

 

メッツはエース右腕のジェイコブ・デグロムが4年連続4度目。これは順当だろう。メッツでは故トム・シーバー氏(1968~77年=10年連続)が有名。1992年に資格取得1年目で野球殿堂入りを果たしたレジェンドだったが、昨年8月31日に亡くなられた。享年75歳だった。

 

 

カージナルスは昨季に続いてジャック・フラハティ開幕投手にしめいされている。(3年連続3度目)。カージナルスの先発ローテでは、日本プロ野球読売ジャイアンツにも3年間在籍してメジャーに復帰していたマイルズ・マイコラスが右前腕の手術からのリハビリ中で開幕が絶望という悲しいニュースがあった。