MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

レッズのA.アキーノとは?凄いスラッガーが現れた!

 ドミニカ出身の25歳、レッズのアリスティデス・アキーノ外野手が、メジャーデビュー17試合で11号本塁打をマークするという新人最速記録を更新している。

 前日の試合で、メジャーデビュー16戦目で10本塁打を達成したメジャー史上初めての選手となったアキーノ。それまでは16戦で9本塁打のリース・ホスキンス一塁手フィリーズ)が最速記録だったが、その記録を上回った。

 アキーノは2011年1月に、ドミニカン・プロスペクト・リーグからインターナショナルFAでレッズとマイナー契約。その時の契約金は11万5000ドル(約1220万円)。昨年8月にメジャーデビュー。ただし、代打での1打席のみだった。

 今季8月1日にメジャー再昇格し、同日行われたブレーブス戦で「6番・ライト」で初スタメンを飾った。独特のオープンスタンスだが、アキーノが話題になったのは、8日(日本時間9日)のカブス戦の弾丸ライナーMLB弾道追尾システム「スタットキャスト」によると打球速度118.3マイル(約190.3キロ)の本塁打だった

 これは今季のMLBの最速本塁打に並び、また「スタットキャスト」による計測が始まって以来、これだけの速度の本塁打を放った選手は、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)、ゲーリー・サンチェス(ヤンキース)、ピート・アロンゾ(メッツ)だけだという。

 日本時間20日終了時点で60打数19安打、11本塁打。打率.317でOPSは驚異の1.327。三振数は16でさほど悪くない。

ただ、8月1日デビューという事で「新人王」争いには打席数が足りない。場合によっては「新人資格」を温存するために新人規定であるアクティブロスターが45日以内。打者では打数130以内までの出場に抑えて今季はマイナーへ戻すことも考えられる。

しかし、打球速度がこれだけ早いと以前にも紹介したがバレルゾーンが大幅に広がる。打球速度はスラッガーのひとつの指標だからだ。

バレル

出典:MLB.com「バレルゾーンの説明図」

 メジャー公式サイトMLB.comの基準では、打球角度10度未満がゴロ。10度以上~25度未満がラインドライブ(ライナー)、25度以上~50度未満がフライボール。50度以上がポップフライと分類している。

 膨大な打球データの蓄積により、メジャーリーグでは「バレル」という野球用語を使っている。それは打球速度と打球角度。

Baseball Geeksさんの記事によると、そのゾーンに入った打球は打率5割、長打率1.500を超えるという「打球速度と打球角度の組み合わせ」であり、実際に16年にバレルゾーンに入った打球の成績は、打率8割2分2厘、長打率2.386を超えていたという。

 打球がバレルとなるには、少なくとも打球速度が158キロ以上が必要とされる。その際は26~30度の範囲のみバレルとなるが、打球速度が上がる毎に角度の範囲は広がっていく。187キロに到達すると、なんと8~50度の範囲でバレルゾーンになるという。

アキーノが約190キロの打球速度を計測した時、打球角度20度の弾丸ライナーでもスタンドに突き刺さった。

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