MLB メジャーリーグ物語

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【球団人事】ジャイアンツがライバルチームのGMを引き抜く

 サンフランシスコ・ジャイアンツが、ライバルのロサンゼルス・ドジャースから覇権を取り戻すために大胆な人事を行うことになったようだ。

 

 

外部から、しかもライバル、ドジャースのゼネラルマネージャー(GM)ファーハン・ザイディ氏を引き抜いた。いかにもアメリカらしいヘッドハンティングだ。

 

 

MLB.comによれば2016年のオールスター・ブレイク以降、ジャイアンツは167勝229敗。17年は地区最下位、今季は地区4位と低迷。

 

 

この期間で比べると、ジャイアンツより勝率が低いのはオリオールズホワイトソックスパドレスの3球団だけだという。

 

 

ジャイアンツは2010年にワールドシリーズを制覇した後、12年、14年も制覇して「dynasty」(王朝時代)を築いたと思われたチームも見る影もなくなるほど弱体化した。

 

 

今回、ラリー・ベアー球団CEO(最高経営責任者)と編成責任者ブライアン・セイビアン上級副社長は、ボビー・エバンズGMを解任して、データ分析に長けたライバルチームの頭脳を引き抜いた。

 

 

ニューヨーク・ポストのジョエル・シャーマン氏の記事では野球運営部門(ベースボール・オペレーション)のトップとしてジャイアンツが迎え入れるという。

 

 

ジャイアンツ-ロゴ

 

 

ジャイアンツが最下位に終わったのは、直接的にはエース左腕マディソン・バムガーナーの不用意な事故による故障など、さまざまな原因があった。しかし、根本的には世代交代の失敗が原因なのではないだろうか。シーズン前も選手の老化は指摘されてきた。

 

 

それにもかかわらず若返りを図ることなく、ベテランを加えるという補強策に打って出た。2017年-18年オフに獲得したのはエバン・ロンゴリアとアンドリュー・マッカチェン、オースティン・ジャクソンだ。

 

 

それぞれ実力者だったが、みな30歳を超えていた。これは結果的には裏目に出た。結局、その責任を取らされる形でボビー・エバンズGMが解任された。

 

 

これで現在メジャーリーグで主流のデータ分析を重視したスタイルに切り替わると思われるが、これまで実績を残したブルース・ボウチー監督の存在感もあり、データ分析官のようなファーハン・ザイディ氏とのコンビでどんなチームになるのか注目だ。

 

 

さらに編成責任者ブライアン・セイビアン氏は球団には残る。根本的にファーム層の充実や内部育成を図ることができるのか、資金がある球団だけに結果を急ぐあまり今季と同じような補強をしていれば、いつまでたっても王朝の復活はできないだろう。