104勝のドジャース、101勝のアストロズ。両チームが100勝以上というセンチュリー・シリーズになったアストロズ対ドジャースのワールドシリーズ2017(WS2017)が開幕した。
WS2017
ドジャースのカーショーが7回を83球(ストライク57)、被安打3、無四球、11奪三振の快投でアストロズの強力打線をブレグマンの本塁打1本に抑えてシルーズに先勝した。
ドジャースがクレイトン・カーショー、アストロズがダラス・カイケルという両「サイ・ヤング賞」投手の先発で始まった大一番。
MLB1位のチーム得点数、最多安打数、最高打率というアストロズの強力打線をナ・リーグ最多勝の18勝4敗、最高防御率(2.31)で7年連続オールスター選出左腕が圧倒した。
つけ加えるとMLB最小チーム三振数だった相手から11三振を奪って黙らせた。
これまでカーショー対アストロズ打線は、今季の夏に移籍してきた控えの外野手キャメロン・メイビンが3打数1安打(通算では30打数4安打)。それ以外に対戦がない。
過去の対戦ではホセ・アルトゥーベ二塁手が15打数6安打(.400)。カルロス・ベルトランが22打数5安打。カルロス・コレア三塁手が3打数1安打など、計7人の打者が81打数19安打(本塁打0、2塁打7)打点2、三振23、打率.235、OPS.605と抑え込まれていた。
カーショーの「12時から6時」と表現されるブレーキングカーブの軌道を初めて体感する打者も多かったに違いない。そのカーブを随所に織り交ぜて緩急自在の投球は見応えがあった。
ミサイルなど追尾する軍事技術を転用したスタットキャストやPITCH FXで集計されたデータによると、カーショーのカーブは、ファーストボールとリリースポイントが同じで、しかもファーストボールと回転数、回転軸がほぼ同じという事から打者が判別しにくいという。
しかも手元では9インチ(約23センチ)の落差があるため打者がスイングしても37.18%が空振り、28.32%がファウルになるなど、フェアゾーンになかなか飛ばないというデータがある。
試合は、カイケルの投げた初球をドジャースの1番打者クリス・テイラーが叩いて先頭打者ホームラン。同シリーズ史上4人目の初戦先頭打者アーチだった。
4回にアストロズの2番アレックス・ブレグマンが同点のソロ。6回にドジャースの2番ジャスティン・ターナーが決勝弾となる2ランを放ち、この2点のリードをカーショーとドジャース・ブルペン陣のブランドン・モロー、9回は守護神ケンリー・ジャンセンが無安打無失点に抑えて完封リレーで初戦を飾った。
2005年にワールドシリーズ進出を果たしたアストロズだが、その時はホワイトソックスに4連敗。これでWS5連敗で、球団初勝利はならなかった。