ジャッジが初の逆転グランドスラム
ヤンキースの新人で201センチの巨漢アーロン・ジャッジ右翼手がMLBトップタイの16号本塁打を放ってチームを勝利に導いた。
3回裏に1点リードされ、2死満塁の場面で打席が回ってきたジャッジは、アスレチックス先発トリッグスの4球目、89.6マイルのツーシームをとらえ、右中間へライナーの逆転満塁本塁打を放った。グランドスラムはキャリア初だった。
アーロン・ジャッジがMLB生活初のグランドスラムだ!しかもこれは早くもシーズン本塁打16発目となる! pic.twitter.com/yYUSY0HCVZ
— MLB Japan (@MLBJapan) 2017年5月29日
ジャッジは、これで打率.321、16本塁打、34打点を記録。本塁打数は、エンゼルスのマイク・トラウトと並んでMLBトップタイに並んだ。
ファンからは早くも「MVP!」のチャントも起こったが、本人は「聞かないようにしていた。まだ仕事はあるんだから」と平静にコメント。
自身がホームランを記録した試合でヤンキースは13勝1敗という事実についても「あれこれ言われるが、いま打つことだけを考えているんだ」と話していた。
25歳の大砲は、昨年8月13日にメジャーデビュー。そのレイズ戦では8番・右翼手で先発出場して相手先発のマット・アンドリースから初打席初本塁打を放った。
前を打つ7番打者のタイラー・オースティンも初打席初本塁打を放ち、1試合2本のメジャー初打席初本塁打というMLB史上初の快挙で話題になった。
ニューヨークのメディアは、デレク・ジーター、マリアーノ・リベラ、ホルヘ・ポサダ、アンディ・ペティットの「コア・フォー」が引退し、主砲だったA・ロッドも引退試合をした後のタイミングだったこともあり、その登場や快挙を書きたてた。
しかし、その後は27試合に出場したが打率は.179と低迷。84打数42三振という驚異の三振率。故障などもあってマイナー行きでシーズンが終わった。
この1年は、他の若手同様、メジャーレベルにステップアップする育成期間のような意味合いが強かった。しかし、予想に反してオールスター級の活躍。
ジャッジには「養子」で育てられたという、その生い立ちには、ドラマのような背景もあって、多くの人が彼をサポートしてきた。
この活躍が続けば「ジェントル・ジャイアント」(優しい巨人)というニックネームを持つ若者の伝説的なシーズンになるかもしれない。