2016-17シーズンオフのFA市場の目玉のひとり、ヨエニス・セスペデスが、チームとの残り2年総額4750万ドル(約49億円)の契約を放棄できるオプトアウト権を行使し、フリーエージェント(FA)となることが関係者の話で分かった。
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セスペデスは昨シーズンオフに3年7500万ドルの契約をメッツと結んだ。その内訳は契約金1000万ドル、2016年1750万ドルで、残りの2年がそれぞれ2375万ドルとなっていた。
長期契約を望んでいるとも伝えられ、メッツとの契約時もチームとの残りの契約を放棄できるオプトアウト条項を盛り込んでいたので、今回のFAは大方の予想通りだ。
セスペデスに関しては、来季の開幕時点では31歳という年齢のため、争奪戦が予想され、地元メディアのひとつであるニュージャージ・ドットコムが獲得に動く可能性があるチームをピックアップしていた。
それによればロサンゼルス・エンゼルス、サンフランシスコ・ジャイアンツ、クリーブランド・インディアンス、ニューヨーク・メッツなどの名前が挙がっており、さらに、可能性は低いもののマイアミ・マーリンズ、ニューヨーク・ヤンキースなどのチームもあるという。
ただ、ヤンキースは、大型FAより内部育成という方針に切り替わっており、外野で若い選手を試したい意向を持っている、そのため年俸総額を大きく増やすことはしない方針。
エンゼルスもオーナー側の意向によりヤンキースと同様に年俸総額を増やしたくないという姿勢で、それが変わらない限り大型投資は難しい状況。
インディアンスは予算の枠が小さく、とても年平均で2500万ドル以上が必要になるセスペデスは現実的な選択肢ではない。
マーリンズもどちらかと言うとエースのホセ・フェルナンデスを失った穴を埋めることが重要な課題となっていますので、揃っている外野手での補強は優先順位が低くなる。
そうなってくるとこの6チームの中で有力になるのがサンフランシスコ・ジャイアンツ。資金面に不安はなく、攻撃力だけでなく守備力も重視するチームの方針とも合致する。
ジャイアンツは、ライトにハンター・ペンス、センターにデナード・スパンで確定しているが、レフトはアンヘル・パガン、グレゴール・ブランコがともにFAとなり再契約の可能性は低いので、穴を埋める必要があるポジションになる。
それに次ぐのがメッツで、ジェイ・ブルースのオプションを行使するかどうかと合わせて判断することになりそう。
これ以外に可能性があるのが、ここに名前の出ていないトロント・ブルージェイズ。ホセ・バティースタとマイケル・ソーンダースの両外野手がFAで、主砲のエドウィン・エンカーナシオンもFAとなり、打線の厚みが一気に薄くなることを考えると可能性はなくはない。
そのエンカーナシオンは、オルティーズの引退で打線に穴の開いたレッドソックスが狙っているとのうわさがあるが、このオフのFA市場には、外野手の人材が豊富。
その中には、今季メジャートップの47本塁打を放ったマーク・トランボ(オリオールズ)のほか、ホセ・バティースタ(ブルージェイズ)、ジョシュ・レディック(ドジャース)、マット・ホリデー(カージナルス)といった外野手が名を連ねセスペデス争奪戦にも少なからず影響を与えるはずだ。