カブスが22日(日本時間23日)、地元リグレーフィールドでドジャースを破って、1945年以来、71年ぶりのワールドシリーズ(WS)進出を決めた。
25日(同26日)からスタートするWSで108年ぶりの世界一をかけて、ア・リーグ覇者のインディアンスと激突する。
そこで話題になっているのが、“ヤギの呪い(ビリー・ゴートの呪い)”。メジャーファンの間で有名な話だ。
1945年のワールドシリーズ第4戦でヤギを連れて観戦に訪れた酒場店主のウィリアム・サイアニスさん(愛称はビリー・ゴート)が、飼っていたヤギの入場を拒否されて激怒。
Billy Sianis put curse on Cubs in '45 after they denied his goat Murphy entrance to Wrigley & the goat had a ticket. pic.twitter.com/5VRJiSGVMF
— Stephen Amp Radio (@SurferStephen) 2015年10月22日
カブスはそのシリーズでタイガースに逆転で敗戦。それ以来、世界一どころか、WS進出すら果たせてない。カブスが1908年を最後に世界一に輝けないのは、“ビリー・ゴートの呪い”があるからだと語り継がれている。
あの時、1945年。2人分の入場券を用意していたにもかかわらず、ヤギの「マーフィー」が入場を断られた際にサイアニスさんが発した言葉は、サイアニスさんが1934年に開業以来、現在も家族経営が続くバー『ビリー・ゴート・タバーン』のHPに明記されている。
「The Cubs ain't gonna win no more. The Cubs will never win a World Series so long as the goat is not allowed in Wrigley Field.(カブスは2度と(WSで)勝てないだろう。リグレー・フィールドにヤギの入場が許されるまで、カブスは2度とワールドシリーズに勝てない)」
こんな笑える話だが、カブスは、昨年のリーグチャンピオンシップでメッツのダニエル・マーフィー(現ナショナルズ)にやられた。あのヤギと同じ名前の選手だ。
あの時のマーフィーは、すさまじい活躍をみせた。ポストシーズンの成績は打率.421、7本塁打、11打点、11得点。プレーオフ史上新記録となる6試合連続ホームランもマークし、文句なしでリーグ優勝決定シリーズのMVPに輝いた。
そしてメッツがカブスに4勝0敗とスウィープ勝ち。逆にカブスは「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」の“予言”むなしく、スウィープ負けだった。まさかの惨敗を喫したカブスは、長年言い伝えられている「ヤギの呪い」。あのヤギと同じ名前の選手にやられた。
カブスが71年ぶりにWS進出を決めたこの日、奇妙な巡りあわせを米メディアが伝えている。
ビリー・ゴートこと酒場店主のウィリアム・サイアニスさんは、1970年10月22日に死去していたということ。その同じ10月22日にカブスは、71年ぶりWS進出を決めた。
不思議な因縁というか都市伝説がまた生まれた。カブスが108年ぶりの世界一に輝き、“ヤギの呪い”を解けるのか、大きな注目が集まる。
カブスファンで有名なハリウッドスター、ビル・マーレイさんも“ビリー・ゴートの呪い”を解くゴーストバスターズの特製Tシャツを着てカブスを応援した。