「補強で改善した5チーム」とは?
MLB公式サイトのコラムニストがシーズンオフの補強で「最も改善された5チーム」をピックアップしているので個人的感想も含めて紹介する。
1. デトロイト・タイガース
前GMであるデーブ ドンブロウスキーがボストンでやった補強ほど資金を投入してはいないが、最も改善されたチームにランクした。
ジャスティン アップトンを獲得し強みである打線を強化。アップトン、キンズラー、カブレラ、J・D マルティネス、ヴィクター マルティネスと並ぶ打線は破壊力十分だ。
投手陣もジョーダン ジマーマンで先発ローテを強め、フランシスコ ロドリゲス、ジャスティン ウィルソン、マーク ロウらを獲得して、弱点であるブルペンの補強も行った。外野にはキャメロン メイビン、捕手にはジャロッド サルタラマッキア、先発ローテにはマイク ペルフリーを加え選手層も厚くなった。
同地区でワールドチャンピオンのロイヤルズ「最強ブルペン」が中継ぎエースのライアン マドソンの離脱やフランクリン モラレスも去った現状を考えるとタイガースの巻き返しにも期待できるかもしれない。
ロイヤルズは加えて、先発のクエト、内野のゾブリストをリリースしているので、戦力ダウンのイメージが強く、昨年のような独走は厳しいだろう。
2. シカゴ・カブス
2015年に97勝したカブスの強みは選手層の厚さだったが、ジェイソン ヘイワード、ジョン ラッキー、ベン ゾブリストらに2億7200万ドルを費やす補強でさらに厚みを加えた。
これにより球団史上最高額の年俸総額になることは確実という。ゾブリストを獲得したことでスターリン カストロを交換要員として先発ローテも期待できるアダム ウォーレンを獲得した。
3. アリゾナ・ダイヤモンドバックス
このチームも何度か紹介したがザック グリンキーとシェルビー ミラーを加えるなど先発ローテの補強に成功したチームと言える。2強のドジャース、ジャイアンツと戦える戦力になった。
2015年のMLBでWARがトップ10だった選手3人(グリンキー、ゴールドシュミット、A.J.ポロック)を抱えることになった。しかし、狙っていたハウィー ケンドリック二塁手は、ドジャースと再契約した。
4. ボストン・レッドソックス
エースの不在と防御率4.24でリーグ13位となったブルペンが原因で2年連続で地区最下位と沈んだ。しかし、ドンブロウスキーGMは先発デビッド プライス、クローザーのクレイグ キンブレル、若手リリーバーのカーソン スミスを獲得。
クリス ヤングで外野手の層も厚くし、補強ポイントにまんべんなく手を加えた印象がある。あとは額面通り活躍するかどうか。
ウェイド マイリーをトレードに出すリスクをとってはいるが、ヘンリー オーウェンズ、マット バーンズ、ブライアン ジョンソン、エドウィン エスコバーなど、2015年に21試合に先発したエドゥワルド ロドリゲス以外にも多くのプロスペクトが控えている。
5. シアトル・マリナーズ
マリナーズは、ロビンソン カノ、フェリックス ヘルナンデス、カイル シーガー、ネルソン クルーズらで4億7000万ドルもの契約を既に抱えている。そうした事情でジェリー・ディポトはGMに就任する時点で年俸総額にあまり余裕がなかった。
そうした中で、マーク トランボとローガン モリソンといったBクラスの打者を放出し、200イニングを投げる可能性があるウェイド マイリー、ネイサン カーンズの2人と一塁にもっと信頼できるアダム リンドを獲得したのは評価したい。
2012年のドラフト1巡ピック(全体3位)のプロスペクトとして期待されたマイク ズニーノ捕手が育成中で、思った程の結果を出せていない状況の中、クリス アイアネッタ、スティーブ クレベンジャーを獲得。正捕手がいないチームの弱点を埋めてくれるかもしれない。
岩隈と相性の良かったスークレ捕手は、手術で復帰まで少なくとも6か月は要するということだ。
岩隈久志と再契約し、アンダースローのリリーバー、スティーブ シ-シェック、ホアキン ベノワ、外野にレオニス マーティン、青木宣親を加え、フランクリン グティエレスと再契約した。限られた予算の中で素晴らしい中規模、小規模の補強という評価だ。