大型補強と言えば東海岸のヤンキース、西海岸のドジャースあたりのチームを思い浮かべる人が多いと思うが、ニューヨークのローカル紙「デイリーニュース」によれば、ハル・スタインブレナー共同オーナーは、近い将来、ぜいたく税のライン(1億8900万ドル)以内に年俸総額を圧縮する方針に変わりはないと強調している。
ヤンキースは故障が多かった先発ローテーションの補強に動いているが、今オフも昨年同様に大型FA選手の獲得は見送ることになりそうで、トレードやプロスペクトの育成を中心としたチーム作りに転換せざるを得ない状況が続く。
スタインブレナー共同オーナーも「金をつぎ込むことが必ずしも勝利につながるわけではないことは、ここ数シーズンで証明されいている」と述べている。
その為、プロスペクト上位でジャンカルロ・スタントン(マーリンズ)2世の呼び声高い大型スラッガー、アーロン・ジャッジ外野手(13年ドラフト1巡目・全体32番目)やエリック・ジャジーロー内野手(13年ドラフト1巡目・全体26番目)などはリリースしない方針で、その代わりとしてブレット・ガードナー外野手、アンドリュー・ミラー投手といった中堅選手を交換要員とする方針。
いずれにしてもヤンキースは16年シーズン以降も残る長期契約と年俸調停権があり、簡単にはFAで大型契約できない状況。
簡単にまとめると(11月初旬時点)
CCサバシアが2500万ドル
田中将大が2312万5000ドル
ジャコビー・エルズベリーが2114万2857ドル
アレックス・ロドリゲスが2100万ドル
ブライアン・マッキャンが1700万ドル
カルロス・ベルトランが1500万ドル
ブレット・ガードナーが1350万ドル
チェイス・ヘッドリーが1300万ドル
アンドリュー・ミラーが900万ドル
ブレンダン・ライアンが100万ドル
という契約がすでに確定。このほかにも年俸調停の選手が加わることになり、
イバン・ノバ(2015:330万ドル)
ネイサン・イオバルディ(同330万ドル)
ダスティン・アクリー(同260万ドル)
マイケル・ピネダ(同210万ドル)
以上の選手は年俸が上昇することが確実で、年俸調停1年目となるアダム・ウォーレン、ジャスティン・ウィルソン、ディディ・グレゴリウスらも年俸上昇が予想される。
これにより合計で2億ドル程度になるとの推測もあり、主力でも出さない限り首が回らない状況。
ここ10シーズンの優勝チームの年俸総額ランクは平均で8位。2015年は年俸総額の上位11チーム中8チームがポストシーズンに進出することができず、17番目と20番目のロイヤルズとメッツがワールドシリーズを争ったというデータもあり、そのことからも分かるようにサラリーに見合うだけの費用対効果がない状況が続いている。