元ロッテのエースとして活躍し、04年のアテネ五輪、06年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に日本代表として出場した清水直行氏の「ニュージーランド野球の世界挑戦記」が興味深いので紹介します。
清水さんは現在、ニュージーランド野球連盟のゼネラルマネジャー補佐と同国の代表統括コーチを務めています。
ラクビーのオールブラックスで有名なニュージーランドですが、野球は新興国。清水さんによれば日本のプロ野球が使用するスタンド席があるような専用球場は皆無で、プロリーグも存在しないらしい。
12歳以下からトップチームまで5つのカテゴリーで世界の大会に出場している。実力はU18のワールドカップ(W杯)オセアニア地区予選(1月23日から4日間)で、オーストラリアに3戦全敗、それでもグアム代表チームには全勝したらしい。
今回、代表強化のために日本から元ヤクルトスワローズの宮本慎也さんを招聘して「野球教室」を開催した。
清水さんと宮本慎也さんのつながりは約11年前のアテネ五輪でともに野球代表に選出されたときからで、現役時代も野球のプレーや戦術面だけでなく、選手会のことなどさまざまなことで相談していたという。
「オークランドで野球教室を」と考えたとき、真っ先に頭に浮かんだのが宮本さんだったらしい。現役時代に何度もゴールデングラブを獲得し、守備技術では言わずと知れた日本のトップ選手。「そんな選手から指導を受けられれば、どんなに素晴らしいか」。その思いを清水さんが宮本さんに伝えると、講演活動などで忙しいにもかかわらず、すぐにスケジュールをおさえる準備をしてくれたという。
その「野球教室」の様子はこちらで。
【第3回】清水直行 ニュージーランド野球の世界挑戦記『ニュージーランドで日本の野球教室を。』 宮本慎也氏を招いた野球教室をニュージーランドで開催。 http://t.co/wBqXva1BTH pic.twitter.com/tnKThHRRYr
— 野球日本代表 侍ジャパン 公式 (@samuraijapan_pr) 2015, 2月 27
サッカーなどでは、外国人監督をよく見かけますが、野球の場合では、日本人が伝道師として「ベースボール」という世界的にはマイナースポーツを広めて行く役割を担っています。こうした清水さんの活動を見るときに野球ファンのひとりとして頭の下がる思いがします。