トミー・ジョン手術は週末に決定?早ければ来週にもオペか!
レンジャーズのジョン・ダニエルズGMが現地11日に会見し、右肘じん帯の部分断裂が判明したダルビッシュ有投手がサードオピニオンを受けることを明らかにしました。
MRI検査で、じん帯の損傷が見つかったエースは、セカンドオピニオンとしてニューヨークでメッツのチームドクターを務めるデービッド・アルチェック医師の診察を受けたが、最初の診断同様に手術を勧められました。
同医師は、じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)の権威として知られており、ダニエルズGMは「すべては手術する方向で進んでいる」と話していますが、ダルビッシュ本人は最終的な決断を保留。さらに別の医師の意見を仰ぐということですが、賢明な判断でしょうね。
ダニエルズGMによると、サードオピニオンはダルビッシュ自身が直接診断を受けるのではなく、画像を送り診断を求める形になるという事で、手術か、回避かの結論は週末に先送りとなった。
エースの負傷にチームメイトも動揺
肘の靭帯を再建するトミー・ジョン手術、それを回避する保存療法。いずれを選択しても長期離脱は避けられない。
地元紙は、チームメイトのコメントも紹介。リーダー格のエイドリアン・ベルトレ内野手は「今こんなに悪い状況だったとは誰も予期していなかったと思う。」とショックを隠せないようすを伝えています。
さらに、ダルと同じ先発組みのデレク・ホランド投手は「間違いなく誰にとっても衝撃だ」とコメント。ホランドは昨年1月に自宅で犬と遊んでいる最中に階段から転落。左膝の手術を受けて昨季大きく出遅れました。
そのホランドの分もローテーションを支えたダルビッシュの負傷に、同投手は「彼が去年してくれたことを今年は僕が彼にお返しする番だ」と語り、ダルビッシュ不在の間、ローテーションを守り抜く覚悟を見せていると記事で紹介されています。
過去にもアクシデントと闘ったダルビッシュ
ダルビッシュのこれまでを思い返して下さい。
2009年。この年は、春にWBCがありました。そして、夏のオールスター。7月24日のオールスター第1戦に中1日で先発登板しましたが、アレックス・ラミレスの強襲打が右肩を直撃してしまい、1回を投げ終えて緊急降板しました。
それ以後、試合後半に球威が落ち、内出血が引いた後も肉離れのような硬さがあり、肩の張りが出やすい状態であったため、8月22日に登録抹消になっています。右肩の違和感を訴えた2006年6月以来になる2度目のIR入りとなりました。
そういった後での日本シリーズ第2戦。ダルビッシュは戻ってきました。巨人を相手に普段は多投しない100キロ台のスローカーブを有効に使い、6回を7奪三振2失点で切り抜け、4-2で勝利を挙げました。
シリーズ終了後、病院の精密検査で右手人さし指を疲労骨折していた事が判明しています。
この年、ダルビッシュは2度目のMVPを受賞。美談のように書くつもりはありませんが、壮絶な野球人生です。それが、観ているファンの心をつかむドラマチックな世界でもあります。
さまざまな困難が彼を襲っている。それでも、彼はメジャーのマウンドに立った。そしてサイ・ヤング賞候補になるぐらいのパフォーマンスを見せてくれました。
おそらく今回は手術になるでしょう。でも彼ならきっと、カムバックするに違いない。あらたなダルビッシュ伝説に期待したい。