MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

男の生きざま「黒田博樹」 被災地広島に送る1勝

黒田博樹 被災地広島に元気と勇気を送る1勝

  ※この記事は2014年9月5日の記事をリライトしたものです。

 

5年連続二ケタ勝利の偉業  気迫のマウンド

 

ジョー・ジラルディ監督は、プレーオフ進出争いの大詰めで3連敗中だったチームの連敗を止めたエースを讃えた。中5日に登板間隔を広げた監督の配慮に39歳のベテランは7回4安打、無四球、1失点という最高のカタチで応えた。

 

前回の登板で、黒田は今季167イニングを投げ、野茂が記録していた5年連続規定投球回数(162イニング以上)をマークしていた。そしてこの日記録した5年連続の二ケタ勝利は、日本人初の偉業だった。

 

 

 

黒田の試合を毎回見ているので、書かせてもらいますが、あの8月20日に広島でおこった土砂災害。黒田は自分を育ててくれた「広島」に被災地支援の義援金を送っている。

 

しかしそれは、多くのメジャーリーガーがしているように珍しいことではない。

 

それよりもピッチングが素晴らしかった、その前後から4試合で3勝。全て2失点以内。疲れがどっと出てくるシーズンの終盤。崖っぷちのチーム、故郷の災害。大変な時こそ、その人の「人と成り」が出るものだ。

 

高校の時は、控え投手だった黒田。大学でやっと芽が出た。プロ野球では「広島」という弱小球団。けっしてスター街道を歩いてきた選手ではない。

 

今季28試合目の登板。ヤンキースでも援護が少ない試合が続いた。その中でも、ただ一人開幕からローテーションを支え続けてきた。

 

39歳の黒田のピッチングを支えてるのは、口にはしないが、広島の皆さんへ「感謝」や「励まし」を送りたいという気持ちかもしれない。そんな気迫を感じるマウンドだった。

 

自分の事だけではない、人のために動く時、いろんなチカラが湧いてくるのかもしれない。