MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

SFジャイアンツは山口を先発ローテーション候補として評価

急転直下、ジャイアンツが山口俊を獲得した理由

 

ここでも紹介したがブルージェイズ自由契約になった山口俊投手とサンフランシスコ(SF)ジャイアンツがマイナー契約で合意。それはちょっとしたサプライズに感じたが、背番号77番で山口はスプリングトレーニングに参加する。

 

 

地元放送局が山口獲得の背景を伝える

 

契約内容はメジャー選手扱いの40人枠に入ればマイナー契約からメジャー契約に切り替わるというメジャーではよくあるスプリット契約で、今季も多くのベテラン元メジャーリーガーがそうしたNRI(枠外選手)として参加している。

 

ここまでは昨日に紹介した記事だが、野球専門サイト「Full-count」NBCスポーツのアレックス・パブロビッチの記事を紹介。ジャイアンツが山口獲得に至った背景を伝えてくれている。タイムリーなタイミングで納得する部分が多かったので紹介したい。

 

 

 

 

なぜジャイアンツは投手枠争いにヤマグチを加えたか

 

その記事では「なぜジャイアンツは投手枠争いにヤマグチを加えたか」というタイトルで、SFジャイアンツの国際スカウトが山口の日本での活躍を以前から調査してきたことを紹介。

 

以前に菅野智之の時に、このブログでも触れたが、SFジャイアンツのファーハン・ザイディ編成本部長はドジャースのゼネラルマネージャー(GM)時代に前田健太を広島から獲得するなど、日本人選手の実力を理解している人物。

 

2017年夏にもポストシーズンの助っ人としてトレードでダルビッシュ有を補強している。

 

「ヤマグチは我々の国際スカウトが日本でたくさん見てきた男だ。2019年にすさまじいシーズンを送った。そして先発、救援両方で長く成績を残してきた。しかし、彼の2019年シーズンの成績は非常に印象的だ」

 

山口は読売ジャイアンツ時代の2019年には最多勝最多奪三振、最高勝率の投手3冠を獲得。

 

「いくつかの役割で投げることができる経験豊富な先発投手だ」とファーハン・ザイディ編成本部長は山口への高い期待を寄せているようだ。

 

監督は2005年に巨人にも在籍したゲーブ・キャプラー。日本のプロ野球のレベルの高さと読売ジャイアンツのエースがどれだけの力量があるかは肌感覚で知っているはずだ。

 

 

不運だった山口のメジャー1年目より日本での実績を評価

 

メジャー1年目はブルージェイズで17試合に登板して2勝4敗、防御率8.06。その内容についても分析しており「「速球とスプリットをともに40%の割合で投げていた。速球は強く打たれていたが、スプリットに関しては対戦打者はわずか打率.222、長打率.318だった」と、その勝負球は十分通用すると分析しているようだ。

 

中継ぎとして結果は残せなかったが、ジャイアンツでは、コロナ禍での調整の難しさ、と見ているようで、実際、準備不足のような選手は多かったように感じた。

 

それと、最初の登板から2試合連続で延長戦のタイブレーク(無死2塁)からという登板だった。山口があの場面で相手を抑えて勝利していたら松井秀喜ヤンキースタジアムのデビュー戦で満塁ホームランを打った時ぐらいの値打ちがあったかもしれない。今頃はブルージェイズのクローザーだっただろう。

 

実際、8月に入ってから主にロングリリーフとして起用されると月間防御率1.54の好成績を残した。ただ、9月15日(日本時間16日)のヤンキース戦で1回1/3を投げ7失点を献上したのが大きく響いて最終的に防御率8.06(FIP6.43)まで悪化させてしまった。

 

その後は3試合の救援登板で無失点を続けたが、最後の2試合に4失点、3失点を献上したのが痛かった。

 

SFジャイアンツの先発ローテは?

 

SFジャイアンツの先発ローテーションは、契約最終年のジョニー・クエト、クオリファイング・オファーを受諾して残留したケビン・ゴーズマン、3番手以降は新加入トリオのアンソニー・ディスクラファーニアレックス・ウッドアーロン・サンチェスらが名を連ねているが、悪い言い方をすると中古車センター。

 

 

トミー・ジョン手術を受けたジョニー・クエトやケビン・ゴーズマンは、そこそこ期待できるが、その他の選手は1年間活躍できるかは疑問符が付く。だから山口にも十分にチャンスはある。

 

さらにブルペンのデプスを見ると、メジャーでの実績が少ない若手が中心の構成で、先発陣より弱いイメージ。山口は先発候補だが、救援での登板が先に回ってくる可能性があるかもしれない。

 

山口に期待するのは、昨年のことがないように1回の登板に選手生命をかけるぐらいの気合で準備してほしい。

 

ドジャースパドレスの重量打線が相手だが、それ以外のロッキーズダイヤモンドバックスは、打者有利のパークファクターが気になるぐらいで、戦力はそれほどでもなく、データを頭に入れて日本のNPB時代にように堂々と見下ろすような態度で投げればいい。NPBでの実績は裏切らないはずだ。

 

 

SFジャイアンツ

 

 

平野佳寿ダイヤモンドバックスの1年目に大成功したように右打者のフロントドアにキレのあるスプリットを投げ込めばいい。メジャーはバックドアもストライクゾーンが広いので、そこを上手に使えばいい。

 

左打者が強引に引っ張ってもSFジャイアンツの本拠地オラクル・パークのライト側から吹く風が、山口に味方することを心から祈りたい。

 

 

 

 

 

 

▽Information source

https://full-count.jp/2021/02/22/post1053508/