MLB メジャーリーグ物語

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【MLB契約情報】ブルージェイズが山口俊との契約を正式に発表

 

 NPB読売ジャイアンツからポスティングシステムを利用してMLB移籍を目指していた山口俊投手がアメリカンリーグ東部地区のブルージェイズと正式に契約した。

 

 

MLB契約情報

 

 

 契約内容は、2年635万ドル。各年317万5000ドルで、投球イニング数に応じたインセンティブが付き各年最大140万ドルが加算される。

 

 ブルージェイズは再建途上のチーム。田中将大が所属するヤンキース筒香嘉智が契約したレイズと同じ地区。若手の野手は台頭しているが、この数年のファイヤーセルで主力投手を放出し、今季はリーグ8位のチーム防御率4.79で、とくに先発陣は規定投球回(162回)をクリアした投手と2ケタ勝利がゼロという先発ローテーションだった。

 

 

 MLB公式サイトは、山口を先発とロングリリーフを兼任する投手としての起用も考えられるとしている。年俸から判断するとチーム内では8番目の年俸で、投手では6番目で、評価はそれほど高くない。

 

 ブルージェイズは弱体化した先発ローテを立て直すために、山口だけではなくブリュワーズとのトレードでフリーエージェント市場から左腕の柳賢振(リュ・ヒョンジン)と右腕タナー・ロアークの実績あるスターターを獲得。ほかにもチェイス・アンダーソンや今季5先発で3勝0敗、防御率1.57のマット・シューメイカーも故障から復帰する予定で、MLB公式サイトによると、山口は5番手争いになる予想だ。

 

 

◆山口 俊(やまぐち・しゅん)

 

 1987(昭和62)年7月11日生まれの32歳。大分県出身で柳ケ浦高から06年高校生ドラフト1巡目で横浜(現DeNA)入団。

 

09年に先発から救援に回り、1軍に定着。14年途中に先発再転向。16年には球団初となるCS進出に貢献した。同年オフ、巨人にFA移籍。18年には史上79人目のノーヒットノーランを達成。

 

187センチ、98キロ。右投げ右打ち。既婚。今季年俸は2億3000万円。

 

 

ポスティングシステム利用選手】

 

99年2月 ケサダ(広)レッズ

99年2月 ペレス(広)入札なし

00年11月 イチロー(オ)マリナーズ

02年1月 石井一久(ヤ)ドジャース

02年12月 大塚晶文(近)入札なし

03年2月 ラミーレス(広)ヤンキース

03年11月 大塚晶則(中)パドレス

05年1月 中村紀洋(オ)ドジャース

05年11月 入来祐作(日)入札なし

05年12月 森慎二(西)デビルレイズ

06年11月 松坂大輔(西)レッドソックス

06年11月 岩村明憲(ヤ)デビルレイズ

06年11月 井川慶(神)ヤンキース

08年12月 三井浩二(西)入札なし

09年1月 三井浩二(西)入札なし

10年11月 岩隈久志(楽)破談

10年11月 西岡剛(ロ)ツインズ

11年12月 中島裕之(西)破談

11年12月 真田裕貴(横)入札なし

11年12月 ダルビッシュ有(日)レンジャーズ

11年12月 青木宣親(ヤ)ブリュワーズ

13年12月 田中将大(楽)ヤンキース

15年11月 バーネット(ヤ)不成立

15年12月 前田健太(広)ドジャース

17年12月 大谷翔平(日)エンゼルス

17年12月 牧田和久(西)パドレス

18年12月 菊池雄星(西)マリナーズ

19年11月 筒香嘉智(D)レイズ

19年12月 山口俊(巨)ブルージェイズ

 

【注】大塚は03年途中に登録名変更

 

 

ポスティングシステム 

 

 プロ野球選手が海外FA権取得前に米球界に移籍できる制度。申請期間は11月1日~12月5日。MLB事務局が契約可能選手を全30球団に通知後、譲渡金支払い意思のある球団と30日間交渉できる。

 

 日本球団への譲渡金の額はこれまで日本の球団が設定し、上限2000万ドルだったが、今年11月発効の新制度で選手の年俸総額に応じて決まる変動制に改定された。

 

 新たな譲渡金は契約金、年俸、バイアウト(契約解除)額の総額のうち2500万ドルまで20%、2500万ドルから5000万ドルまで17・5%、5000万ドルを超えた分に15%を乗じた額を足して算出。年度ごとに出来高払いの15%が追加譲渡金として支払われる。日本の球団が従来の上限2000万ドルを得るためには、契約総額約1億2000万ドルを超える必要がある。

 

 

▽記事一部参考

 

www.sanspo.com