MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

イチローの帰還にクラブハウスも歓迎 116勝を知っているのはイチローだけ

 

マリナーズ復帰が決まったイチロー。チームがキャンプを行っているアリゾナ州ピオリアの球団施設には早くもロッカーが用意され、慣れ親しんだ背番号51のユニホームが吊るされた。日本の報道陣も約40人が集まったという。

 

 

イチロー伝説

 

 

イチローの“帰還”を心待ちにしているのは、ファンや報道陣だけではない。44歳、メジャー18年目の春を迎えたレジェンドをクラブハウスの同僚も歓迎ムードだ。

 

MLB.comもその内容の記事を掲載していたが、考えてみれば西海岸のシアトルから東海岸のニューヨークを経てフロリダ半島のマイアミへ移籍したイチローだが、意外と元チームメイトが多い。

 

エースのフェリックス・ヘルナンデスは2009年に19勝5敗で球団史上初の最多勝のタイトルを獲得しているが、イチローヤンキース戦でサヨナラホームランを打ってくれたと懐かしんだという。

 

 

 

 

今季、マイアミからシアトルに移籍したディー・ゴードンはイチローをメンターのような存在として慕っている。救援右腕のデビッド・フェルプスニューヨーク・ヤンキースとマイアミの2球団でイチローと一緒に戦った。

 

他にはイチロー東海岸に移籍した2012年にはマリナーズで、まだメジャー2年目だったカイル・シーガー三塁手がいる。

 

彼も「史上最高のマリナーの一人が来るんだ。尊敬しているよ。イチローについて思い出すことといえば、誰よりもハードに練習していたということだね。プロフェッショナルでこんなにも一生懸命練習し、自身の手入れが入念な選手を獲得できれば、みんなに良い影響があるはずだ」と、イチローのプロフェッショナルな姿勢がチームメイトに与える影響の大きさについて語ったという。

 

ロビンソン・カノーもヤンキース時代にイチローの同僚だった。かつての戦友たちに囲まれて44歳の帰還兵にとってクラブハウスの雰囲気は、けっこう良いかも知れない。

 

イチロー セーフコフィールド

 

 

数日前にも紹介したが、マリナーズの外野陣は、メジャーキャリア2~3年目といった若手が中心の編成。このため数年はコントロールできるメリットはあるが、経験不足と若手の割には故障者が多い。

 

レフトはベン・ギャメル(25歳)、センターはディー・ゴードン(29歳)、ライトはミッチ・ハニガー(27歳)、第4の外野手としてギジェルモ・エレディア(27歳)。

 

ベン・ギャメルが打撃練習にわき腹を痛めて開幕絶望。昨年の前半に活躍したハニガーも実質2年目、中盤の故障で96試合の出場にとどまったが、そのハニガーも右手の故障で、出遅れている。控えの外野手エレディアも実質2年目。昨年10月に右肩の手術を受けて不安が残る。

 

昨年、内外野のユーティリティとして投手と捕手を除く内外野の7ポジションを守った28歳テイラー・モッターも実質2年目。

 

そのためタイガースからウェーバーで32歳のアンドリュー・ロマインを獲得。ただ彼も外野は守れるが、もとは内野手で、これまでメジャーでは控えクラスの実績しかない。

 

40人枠では、フィリーズから、これもウェーバーで獲得した27歳キャメロン・パーキンスも42試合に出ただけの選手。40人枠以外のNRIでキャンプ参加のカーク・ニューエンハイスは、メジャー7年目だが3Aとメジャーを出入りするクラスの選手。

 

2001年以来、MLB30球団で最もポストシーズン進出から遠ざかっているチームだが、その2001年の「シーズン116勝46敗 勝率.716」を知っているのは、イチローだけかもしれない。