セントルイス・カージナルスが現地2日、コルテン ウォン二塁手と2020年まで5年間の契約延長に合意した。
MLB契約情報
契約内容は、今季125万ドル(約1億4,000万円)、17年に250万ドル(約2億8,000万円)、18年に400万ドル(約4億6,000万円)、19年に650万ドル(約7億4,000万円)、20年に1,025万ドル(約11億7,000万円)をそれぞれ受け取る。
また、2021年については球団側が行使権を持つ年俸1,250万ドル(約14億2,000万円)のオプション、または100万ドル(約1億1,000万円)のバイアウトとなっている。
25歳のウォンは、ハワイ出身でアメリカ人の父親と中国人の母親の間に生まれたハーフ。2011年のMLBドラフトでカージナルスにドラフト1巡目(全体22位)で指名され入団。13年にメジャーデビュー。
カージナルスのウォンと聞いて記憶に残るシーンは、13年ワールドシーリーズ(WS)GAME4の最後のプレイ。
その前日のGAME3は前代未聞の走塁妨害でカージナルスがサヨナラ勝利。そしてGAME4は上原浩治の牽制球でゲームセットになり、レッドソックスが勝利した。
試合を終わらせたのはクローザー上原浩治の絶妙な牽制だった。その時にアウトになったのがピンチランナーで出場していた当時ルーキーのコルテン ウォンだった。
レッドソックスナインがフィールド上で喜びを爆発させる横で、ヘルメットを叩き付けて悔しがった。ウォンは試合後もクラブハウスで涙を流していたという。その後、自身のツイッターで「カージナルスファンの皆、申し訳ない」と謝罪した。
この話には後日談があって、アメリカでは異例ともいえるウォンの「謝罪」と「悔し涙」は、多くのファンの心を打った。
大舞台で一発出れば同点のチャンスを、自らのボーンヘッドで潰してしまったことが悔やみ切れなかったウォン。
しかし、ウォンのツイートは2,700人以上にリツイートされ、ファンからは「謝罪なんてせず、前を向いて」「君が毎日全力でプレーしていることは皆知っているよ」「明日になればまた新しい1日さ」といった温かいコメントが多く寄せられたという。
彼はその後、2シーズンで正二塁手の立場を堅め、悔しさをバネに今回の契約延長を勝ち取った。