今季から下記のようなルールがMLBで実施されている。もともと4大プロスポーツといわれている中で、ベースボールだけが時間制限がなかった。
アメフトNFLもラスト2ミニッツ(2分間)の攻防は、時間との勝負。バスケのNBAも、アイスホッケーNHL、もっといえばサッカーもボクシングもレスリングも時間制限のあるスポーツ。ゴルフでさえ長いアドレスやパターはペナルティの対象になる。
球団経営に欠かせないテレビメディアから得られる莫大な放映権料を考えた場合、その時間内に収まり切れない野球中継を何とかできないものか?
もう何年も前から、野球界において試合時間の短縮が大きな課題となっている。今年1月に就任したMLBのロブ・マンフレッド新コミッショナーは、就任会見で最重要項目として試合時間の短縮をあげたほどだ。
MLBで今年から始まった時間短縮の規定は下記のとおり。(一部)
・攻守交代は2分25秒以内、全米放送の試合は2分45秒以内
・イニング間の投球練習は8球まで認められているが、攻守交代の残り時間が30秒を切った場合は8球投げていなくても投球練習を終了し、打者への投球に備えなければならない
・打者は少なくとも片足がバッターボックスに入っていなければならない。ただし、空振りをしたときなどは外れてもよい
・監督がビデオ判定(チャレンジ・システム)を求めるときはベンチから出ず、投球から20~30秒以内に宣告しなければならない
マイナーの3Aと2Aでは「捕手からボールを受けた投手は20秒以内に投球を開始しなければならない」というルールが実施されている。
攻守交替で、「全米放送」とあるのはCM枠の関係らしい。アメリカの野球中継は原則的に全球放送する。CMが明けたらすでに1アウトだったといったことはなく、中継する側と球審が連絡を取り、CMが明けたらプレーをかけるようになっている。視聴者が多い、全米放送のほうがCM枠も長くなるというわけだ。
ベースボールキングがおもしろいデータを紹介しています。それによれば、この「時短問題」で一番引っ掛かってくるのが日本人投手らしい。
昨季、10イニング以上投げたメジャー全体の投手の中で2番目に長かったのが田澤純一(レッドソックス)の平均31.8秒。レンジャーズの藤川球児も7位の29.8秒。
140イニング以上投げた投手では、今季広島に復帰した黒田博樹がメジャーで6番目に長い25.2秒。レンジャーズのダルビッシュ有が25.1秒で続き、マリナーズの岩隈久志も24.7秒で12位らしい。
セイバーメトリクスが進化し、何でも数値化するアメリカ的やりかたで、そんなデータもあったのか、と感心してしまいますが 、そういえば岩隈もサイン交換が長すぎたシーンがあった。