10月5日に「今オフにFAになる主な選手のポジション別一覧《捕手編》」と題して紹介したが、その後、多少の動きがあったので捕手たちの移籍市場の契約状況を整理してみた。
MLB移籍情報
契約が決まったのは、カート・スズキとブライアン・マッキャンの2人だけだったが、ここへ来てロビンソン・チリーノスがアストロズと1年契約で合意したという情報が入ってきた。契約金額などの詳細はこの時点では分からない。
34歳のベテラン捕手ロビンソン・チリーノスの今季はレンジャーズで113試合(893イニング)にマスクをかぶった。打率.222だが18本塁打を記録しており、OPS.757。パンチ力が売りの選手。盗塁阻止率は28%、DRS(守備防御点)は-11と良くない。(データ参考)
トレードではヤン・ゴームズがインディアンスからナショナルズへ移籍が決まった。ナショナルズはカート・スズキとヤン・ゴームズの正捕手クラスの2枚で2019年シーズンを戦うことになる。
Updated #Astros roster projection: C Robinson Chirinos agreed to 1-yr contract ($ not yet reported). https://t.co/yOAoKBslqs
Chirinos slashed .222/.338/.419 with 18 HR and 15 2B in 426 PAs for the Rangers in '18. pic.twitter.com/4CxUQYfd4V
— Jason Martinez (@mlbdepthcharts) 2018年12月4日
アストロズはマーリンズのJ.T.リアルミュートの獲得に動いているが、マーリンズの要求する交換要員が高いままで、交渉が進展していない。
そのJ.T.リアルミュートの移籍先が気になる。彼は、昨年のオフもマーリンズとの契約延長には応じない姿勢を明確にしていた。
J.T.リアルミュートの打撃成績は、捕手ではMLBトップ。打率.277、本塁打21、OPS.825。ただ、守備面ではDRS-7と低い。この数字(DRS)は800イニング以上マスクをかぶった捕手で13人中11位。
下記を見てもらえばわかるが、ヤスマニ・グランダル、ウィルソン・ラモス、ジョナサン・ルクロイ、ニック・ハンドリー、マット・ウィータースらのベテラン捕手がFAになっているので、マーリンズが強気の交渉を続けるとトレードできない可能性もあり、彼の動向を見守りたい。
《FA捕手》
ウィルソン・ラモス(フィリーズ)
カート・スズキ(ブレーブス) →ナショナルズと2年1000万ドル
A.J.エリス(パドレス)
ニック・ハンドリー(ジャイアンツ)
ジョナサン・ルクロイ(アスレチックス)
デビン・メソラコ(メッツ)
レネ・リベラ(ブレーブス)
マット・ウィータース(ナショナルズ)
ジェフ・マシス(ダイヤモンドバックス)
ドリュー・ビュテラ(ロッキーズ)
ヤスマニ・グランダル(ドジャース)
ロビンソン・チリーノス(レンジャース)
今季の捕手部門で、規定打席に達しているのは6人だけ。上のFA捕手の中では、ヤスマニ・グランダル(ドジャース)だけになる。
ジョナサン・ルクロイ(アスレチックス)は、126試合に出場しているが規定打席には達していない。WBCアメリカ代表の捕手だが、打率.241、本塁打4、OPS.617と今季も打撃面では振るわない。
DRSも-11で、チリーノスと同じ。800イニング以上で比較すると13人中12位。盗塁阻止率28%。32歳だが過激なポジションだけに体力的にはピークを過ぎたのかもしれない。
32歳のマーティン・マルドナード(アストロズ)は大谷翔平と組んでいたことで日本では有名になったが、エンゼルスに移籍する前は、ブルワーズで、ルクロイのバックアップ捕手だった。
夏にアストロズに電撃移籍し、今季は、2球団で打率.225、本塁打9、OPS.627。DRSは4位。あまり大したことのない成績だが、それでもゴールデングローブ賞を取った17年と同程度のスタッツで、今季の390万ドル以上のサラリーを手にするかもしれない。
34歳のブライアン・マッキャンはブレーブスと1年200万ドルで契約。地元アトランタ出身のベテランは13年以来のブレーブス復帰になった。 今季はひざの故障で2回故障者リストに入ったが、若いチームの精神的支柱になれる選手だろう。