前回に続いて来季オフのCBA改定がもたらす不確定な状況が今オフに持たす影響について考えていきたい。
MLB移籍情報
2026年12月の労使協定(CBA)失効を控え、MLB移籍市場は「長期契約への恐怖」に支配されている。超大物FAが足踏みする中、なぜ日本から参戦する村上宗隆、今井達也、岡本和真が、各球団にとって「計算可能な救世主」と見なされるのか。その裏には、贅沢税の網を潜り抜ける巧妙な財務戦略が存在する。

贅沢税の聖域「譲渡金」と新CBAを見据えた契約期間の妙
前回の記事で「計算可能なコスト」と紹介した「計算可能なコスト」という言葉の真意は、NPB球団に支払われる譲渡金が贅沢税(CBT)の計算対象外である点に集約される。
球団は総年俸の枠を圧迫せずに実質的な補強費を投じることができ、かつ日本人選手の多くが結ぶ4〜6年の契約は、CBA改定後の不透明な市場において「負債」化しにくい。
2027年以降のリスクを最小限に抑えつつ即戦力を確保できる日本勢は、今や市場で最も「予見性の高い」優良投資先なのだ。
村上宗隆:25歳の若さが武器 期限直前の「北の決戦」か
現地22日に交渉期限を迎える村上宗隆は、その若さゆえに「新CBA施行時でも全盛期」という稀有な価値を持つ。三塁守備への懸念を抱えつつも、ブルージェイズやブレーブスが1億ドル規模のオファーを準備。特に資金力に余裕のあるブルージェイズが、将来の看板打者として「計算」に入れているとの見方が強い。
今井達也と岡本和真:エース不在と右砲不足を埋める最適解
今井達也(1月2日期限)
奪三振率の高さが米解析データで最高評価。ヤンキースとカブスが、年俸2000万ドル超の「エース待遇」で火花を散らす。CBA改定後の混乱期に20代後半の今井を保有できるメリットは、球団経営において極めて大きい。
岡本和真(1月4日期限)
右の長距離砲に飢えるパイレーツが「4年6400万ドル」で猛追しているという噂があるが、レッドソックス、マリナーズにエンゼルスの名前が挙がっている。米国内FAで同格を狙うより安価で、かつ譲渡金活用により贅沢税ラインを維持できる岡本は、中堅球団にとって理想的な「計算式」の回答だ。