2025年11月2日(日本時間)、運命のワールドシリーズ第7戦。野球の神様は、最後の最後にドラマを用意していた。
ワールドシリーズ第7戦
【ドジャース5-4ブルージェイズ】
⚾延長戦突入、歴史に残る死闘
第7戦はトロントのロジャース・センターで行われ、最終回にドジャースが同点に追いつくという劇的な展開でWS史上5回目の延長戦に突入。ドジャースがブルージェイズを5対4で下し、今世紀初のワールドシリーズ連覇を成し遂げた。
試合を通してブルージェイズが主導権を握っていたが、最後まで結果はわからないものだ。4対3と1点ビハインドで迎えた9回表、ドジャースの9番ミゲル・ロハスが放った打球はレフトスタンドへ一直線に伸び、トロントのファンで埋め尽くされたスタジアムが静まり返った。ベテランの一振りで、土壇場で試合は振り出しに戻った。
そして延長11回。ウィル・スミスが、レフトスタンドへ勝ち越しのソロホームラン。ついにドジャースがリードを奪う。スミスは第2戦に続く勝ち越し弾だった。
⚾大谷翔平 vs シャーザー、先発投手の明暗
ドジャースの先発は二刀流の大谷翔平。中3日での登板だったが、初回から制球に苦しみ走者を背負う場面が多かった。
一方のドジャースは通算221勝のレジェンド投手マックス・シャーザー。安定感のあるマウンドで5回途中1失点と試合を作った。
大谷は、3回にボー・ビシェットに痛恨の3ランを浴びて降板。3回途中、4安打3失点と悔しい内容となった。
その後、ドジャースは粘り強く反撃。6回に6番テオスカーヘルナンデスの犠牲フライで1点を返し、7回には3番フレディ・フリーマンの犠牲フライで2点差に迫る。8回には5番マックス・マンシーのソロホームランで1点差。
⚾ロハスの執念、スミスの勝負強さ
だが 、ブルージェイズも粘りを見せ、このまま逃げ切りそうなムードの中、4対3で迎えた9回裏にドラマが待っていた。
1アウト走者なしの場面で9番ミゲル・ロハスが放った打球はレフトスタンドへ。土壇場での同点ホームランに、トロントのファンで埋まるスタジアムは静まり返った。
THE NINE HITTER MIGUEL ROJAS COMES UP WITH THE SWING OF HIS LIFE TO TIE IT UP IN THE NINTH 😱
— ESPN (@espn) November 2, 2025
TORONTO IS STUNNED 😳
(via @MLB) pic.twitter.com/6yM05PUwBQ
延長戦に突入した試合は、11回表にウィル・スミスがレフトスタンドへ勝ち越しのソロ弾。第2戦に続く勝ち越し弾で、ついにドジャースが5対4とリードを奪う。
⚾最後のマウンドに山本の雄姿
そして最後のマウンドに立ったのは、シリーズを通して圧巻の投球を見せた山本由伸。
第6戦に続き連投となったが、疲労を感じさせない投球で、9回途中のピンチの場面から10回11回の2.2イニングを被安打1の無失点、最後は併殺打に仕留め、ドジャース史に名を刻む最高の投球を見せた。
その結果、ドジャースが5対4で勝利し9度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。
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— SPOTV NOW JAPAN (@SPOTVNOW_JP) November 2, 2025
ドジャース・山本由伸🇯🇵
チームを世界一に導く!
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⚾️ワールドシリーズ第7戦⚾️#ドジャース🆚 #ブルージェイズ#LADTOR #山本由伸
❤️🔥最終決戦❤️🔥
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山本は、シリーズを通して3試合に登板し3勝、計9回1/3を無失点、13奪三振という圧巻の成績を残しワールドシリーズMVPに選出された。

ベテランのロハスの執念、スミスの勝負強さ、随所に出た両軍の好プレー。そして山本の魂の投球。すべてが詰まったこの試合は、まさに“野球の神様”がドジャースに微笑んだ試合だった。
ドジャースは昨季の王者として連覇を成し遂げた。1998年から2000年にかけて3連覇を果たしたヤンキース以来、25年ぶりの連覇達成だった。
一方、ブルージェイズは地元ファンの大歓声に後押しされ、アメリカン・リーグ王者らしい投打が噛み合った素晴らしい野球を展開した。先発のマックス・シャーザーが粘り強く投げ、打線も要所で得点を重ねた。1992年、1993年に続く3度目の栄冠は、カナダ球界にとっても歴史的な快挙となるはずだったが、最後はドジャースにもっていかれた印象のゲームだった。
両軍ともに3勝3敗で迎えた第7戦は、まさに総力戦の死闘だった。MLB史に残る熱戦は、ドジャースの歓喜で幕を閉じた。