MLB メジャーリーグ物語

海を渡ったサムライ・メジャーリーガーたち

WS2025-G5 ドジャース打線、中軸不発、ブルージェイズ王手

 

MLBワールドシリーズ第5戦は現地10月29日、ドジャースの本拠地ドジャー・スタジアムで開催されブルージェイズが6対1で勝利。ブルージェイズは3勝2敗で王手をかけた。ドジャースはシリーズの流れを手放した。敗因は明確だ。打線の沈黙である。

 

ワールドシリーズ第5戦 

 

 

 

ドジャース1-6ブルージェイズ

 

ドジャースは、この試合でわずか4安打1得点と低調な内容だった。特に中軸の不振が目立ち、4番フレディ・フリーマンは3打数無安打2三振、3番ムーキー・ベッツも4打数無安打2三振、1番大谷翔平も4打数無安打に終わった。1番から4番までで1安打のみだった。

 

ブルージェイズの先発トレイ・イェサベージは、ルーキーながら見事なピッチングを披露した。

 

アームアングルが60度を超え、打ちづらそうなフォームだった。高いリリースポイントから低めにボールを集める制球力が際立っていた。7回途中までで12奪三振を記録し、1949年のドン・ニューカムが持っていた11奪三振の記録を76年ぶりに更新し、ワールドシリーズの新人投手として新記録を樹立した。

 

このように打順の機能不全も敗因の一つだろう。ロバーツ監督は、「リズムがつかめていない」と打順を変更。不調のアンディ・パヘスを外してアレックス・コールに変え、ウィル・スミスを2番にして打線をいじったが、すでに第5戦。シリーズ終盤での迷走は、チームの一体感を損なう恐れもある。

 

さらに、ドジャースはこの試合で三振が15個。打者がボールを見極めきれず、追い込まれてからの対応力にも欠けていた。イェサベージのスプリットを中心にした変化球に翻弄されていた印象だ。

 

一方、ブルージェイズは7回にドジャース投手陣の3暴投を突いて追加点を奪うなど、隙を逃さない攻撃を展開。ドジャースは守備でも集中力を欠き、流れを完全に渡してしまった。

 

この敗戦でシリーズはブルージェイズが3勝2敗と王手。ドジャースが連覇を果たすには、打線の奮起が不可欠だ。第6戦以降、中軸の復調と打順再編が鍵を握るだろう。

 

第6戦は1日の移動日を挟んでカナダのトロントに移るが、ドジャース先発は、おそらく山本由伸だろう。山本の3試合連続完投は無理でも山本→佐々木朗希の完封リレーを期待したい。