ロジャースセンターが静寂に包まれた。ドジャースが敵地トロントで行われたワールドシリーズ第2戦で、ブルージェイズを5対1で下し、シリーズ戦績を1勝1敗のタイに戻した。第1戦の雪辱を果たすべく、先発マウンドに立ったのは日本が誇る右腕・山本由伸。彼の力投がシリーズの流れを変えるかもしれない。
ワールドシリーズ第2戦

由伸、魂の105球!圧巻の2試合連続完投劇
山本は初回からピンチを背負いながらも冷静に対処した。好調なブルージェイズ打線を相手に、走者を出しつつも粘り強く投げ続け、7回までわずか79球で1失点という見事なピッチングを披露した。
リーグ優勝決定シリーズに続く2試合連続の完投試合は、同一シーズンのポストシーズンでは24年ぶりの快挙らしい。特に中盤以降は圧巻で、4回から6回までを三者凡退で切り抜け、相手に反撃の糸口すら与えなかった。
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— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) October 26, 2025
ストライクゾーンで勝負し、コースに決まる変化球のコマンドも冴え、最終的に9イニング105球で被安打4、奪三振8、与四球0、与死球1、失点1。好調な打線相手に20人連続でアウトを奪った。
特に中盤以降の投球内容は圧巻で、4回から6回までを三者凡退で切り抜け、相手に反撃の糸口すら与えなかった。終盤の7回~9回も安定感が光り、7回は3人を内野ゴロ、8回は三者三振だった。全ての球種を自在に操っていた。
この「20人連続アウト」は、ポストシーズンにおけるドジャース投手の最長連続アウト記録らしい。相手の 先発右腕ケビン・ゴーズマンも好投しポストシーズンの歴史に残る投手戦だった。
山本は、試合後のインタビューでは、
「特に落とせない一戦で、1勝1敗でロサンゼルスに戻れたらもっといい流れになると思ったので、とにかくこの試合に集中していました。しっかりと冷静に投げられたので良かったと思います。カーブが効いた分、スプリットも有効に決まりましたし、ピッチングの幅を広げられたかなと思います。しっかり準備できたのと、いろんな方の支えがあり、ここでいいプレーができたのは良かったです」と、投球を振り返りながら語った。
ウィル・スミス、3打点の大暴れ 女房役が山本を援護
打線では、女房役の4番ウィル・スミスが光った。初回にセンター前タイムリーで先制点を叩き出すと、7回には試合を決定づける2ランホームランを放ち、計2安打3打点の活躍。スミスのバットが沈黙していたドジャース打線に火をつけた。
一方、大谷翔平は「1番・指名打者」で出場。敵地のブーイングに包まれながらも、8回にバットを折られながらライト前に抜けるヒットを記録。4打数1安打と目立った結果は残せなかったが、彼の存在感は相手投手陣にプレッシャーを与え続けた。
静寂のロジャースセンター 山本の快投でドジャース反撃
試合終盤、ドジャースは8回にも相手バッテリーのミスから追加点を奪い、ブルージェイズの反撃を完全に封じ込めた。山本は9回もマウンドに立ち、最後は3者連凡退で締めくくる完璧なフィニッシュ。ロジャース・センターはその瞬間、まるで時が止まったかのような静けさに包まれていた。
この勝利でドジャースは勢いを取り戻し、シリーズは第3戦からロサンゼルスへと舞台を移す。
日本時間28日の第3戦は、ドジャースがグラスノー、ブルージェイズがシャーザーの先発。
第4戦では大谷が先発予定とされており、さらなる日本人選手の活躍に期待が高まる。