トロントのロジャース・センターが歓喜に包まれた。2025年10月24日(日本時間25日)、32年ぶりのワールドシリーズ(WS) 進出を果たしたブルージェイズが、連覇を狙うドジャースを11対4で下し、シリーズ初戦を制した。
ワールドシリーズ第1戦
ブルージェイズ、6回の猛攻でドジャースを粉砕!
試合は序盤から緊張感のある展開だった。ドジャースは2回、ポストシーズンに強い7番キケ・ヘルナンデスのタイムリーで先制。
3回にも4番ウィル・スミスのライト前タイムリーで2点目を加え、試合を優位に進めるかに見えた。しかし、ブルージェイズは4回、6番ドールトン・バーショの2ランホームランで同点に追いつき、流れを引き戻す。
勝負の分岐点は継投策
そして勝負が決まったのは6回裏だった。ブルージェイズはドジャースの先発左腕ブレイク・スネルを攻めてノーアウト満塁の好機をつくる。
ここでドジャース2番手エメット・シーアンから7番アーニー・クレメントがセンター前タイムリーを放ち、代打ネイサン・ルークスが押し出し四球、9番アンドレス・ヒメネスもライトへタイムリーで、5対2と一気に勝ち越した。
結果論だが、この継投が裏目に出た。
代打バージャーがWS史上初の満塁弾!
ブルージェイズがドジャースのブルペンを攻略して鮮やかな連打で3点を勝ち越し、代打で登場したアディソン・バージャーがドジャース3番手アンソニー・バンダからワールドシリーズ史上初となる代打満塁グランドスラムをライトセンター間に叩き込んだ。
メジャー2年目の25歳が大仕事をやってのけた訳だが、あとからじっくりビデオを見ると、あのシーンは明らかに一発狙いの打者に高めのスライダー(84.5マイル)が甘く入った失投だった。
THE FIRST PINCH-HIT GRAND SLAM IN WORLD SERIES HISTORY! pic.twitter.com/eQHuu1t4S8
— Toronto Blue Jays (@BlueJays) October 25, 2025
さらに、5番アレハンドロ・カークの2ランも飛び出し、この回だけで9得点を挙げるビッグイニングを演出した。
ドジャースは、継投ミスが致命傷となり、試合の趨勢は決した。
THE BLUE JAYS TAKE GAME 1 OF THE #WORLDSERIES pic.twitter.com/P22E2Mg0oj
— MLB (@MLB) October 25, 2025
ドジャースの大谷翔平は「1番・DH」で先発出場。初回は空振り三振、2回の満塁機では走者を一掃するタイムリーに期待したが、残念ながらファーストゴロと精彩を欠いた。
ただ、これで終わらないのが勝負にこだわる大谷の凄さだ。7回の第4打席には意地の2ランをライトスタンドへ叩き込み、ワールドシリーズでのキャリア初本塁打を記録。敵地のチャントを黙らせる見事な一撃だった。
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ドジャース・大谷翔平🇯🇵
WS初ホームラン!
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❤️🔥最終決戦❤️🔥
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ブルージェイズ先発の新人トレイ・イェサベージは、緊張感漂う舞台で堂々の投球を披露。ドジャースのスネルは5回まで粘ったものの、6回の大崩れで流れを止められなかった。
初戦勝利の優勝確率85.2%、勢いはトロントに?
ドジャースファンには悲報になるが、この勝利でブルージェイズはシリーズ制覇に向けて大きな一歩を踏み出した。初戦を制したチームの優勝確率は85.2%と高く、勢いに乗るトロントにとって最高のスタートとなった。
第2戦は山本由伸が登板予定、ドジャースの反撃なるか!?
一方、ドジャースは第2戦に先発予定の山本由伸に望みを託す。第1戦で、ドジャース打線は6安打に押さえ込まれた。右投手の多い相手だけに第2戦以降は、左打者の奮起に期待したい。
32年ぶりにカナダのトロントで開催された歴史的なシリーズは、代打満塁ホームランという史上初のドラマで幕を開けた。ブルージェイズが初戦を制し、大谷の追撃弾も届かず、輝きが交錯したこの夜は、ワールドシリーズの醍醐味を存分に味わえるものだった。