MLB メジャーリーグ物語

海を渡ったサムライ・メジャーリーガーたち

山本由伸 7回無失点10Kの快投 ドジャース4連勝

 

日本を代表する右腕、山本由伸とサイヤング賞2度受賞のジェイコブ・デグロムによる予想通りの投げ合いが日本時間19日、テキサスで実現した。デグロムは7イニング1失点だったが、山本はそれ以上の7イニング無失点で10奪三振の快投。両右腕の見ごたえある投手戦だった。

 

 

MLB2025 GAMEDAY

 

 

 

これだけの投手戦は、長いシーズンでもそんなに見られるものではない。しかも、レンジャーズとドジャース。レンジャーズは猛打で2023年のワールドシリーズを制したチーム。今季は投手陣が好調でここまで西地区首位。勝率ではア・リーグトップ。

 

 

レンジャーズは、その好調投手陣の2枚看板でもあるジェイコブ・デグロムとネイサン・イオバルディをGAME1とGAME2にぶつけてきた。

 

 

一方のドジャースは、本塁打数でヤンキースと並ぶMLBトップ。しかし、1番指名打者大谷翔平が「父親リスト」で欠場。破壊力が落ちたドジャース打線はデグロムを攻略できず7回終了時点で散発3安打に抑え込まれた。

 

 

それでも良かったのは1番に入ったトミー・エドマンの7号ソロ先頭打者弾で先制した事。この虎の子の1点を山本が守り切った。

 

 

 

 

デグロムもそうだが、山本も4シームの威力がテレビ画面からも伝わる迫力があった。山本は全体ではスプリッターを約30%使ったが、前半はカーブが効果的だった。

 

 

打者25人に対して初球ストライクを取れなかったのは5人だけ。そのほかの打者は、初球打ちか初球ストライクで追い込まれスプリットやカーブでバットが空を切るというパターンが多かった。

 

 

やはり「初球ストライク」が打者にアドバンテージを取る意味で大事だ。佐々木朗希もこれができれば投球に幅が出ると感じる。

 

 

この試合では102球を投じ、スプリットで7、カーブで6、4シームで4、スライダーで3の空振りを奪った。空振りが多いのはボールが切れている証拠だろう。レンジャーズ打線を被安打5、無四球、10奪三振に封じ込めた圧巻の内容だった。

 

 

 

 

これで山本の今季は5試合29イニングで防御率は1.23から0.93にアップ。WHIP0.86、奪三振数38、奪三振率11.79。5試合で4シーム39%、スプリット30%、カーブ17%、カッター7%、シンカー6%、スライダー約1%。

 

 

ちなみに4シームの平均球速は95.8マイル。すべての球種でメジャー右腕投手の平均値を上回っている。

 

 

ドジャースは9回に2点を追加して3対0で勝利。山本は今季3勝目。タナー・スコットに7セーブ目が付いた。