「3.11」。この特別な日に佐々木朗希が「世界戦」に登板した。
第5回WBC
日の丸背負い剛速球が唸る最年少勝利
WBC日本代表「侍ジャパン」は11日、1次ラウンド東京プールのチェコ戦に佐々木朗希投手が先発した。
佐々木は、3.2イニングを被安打2、失点1(自責0)、毎回の2三振を奪い、計8奪三振。最速は164キロをマークした。
試合前に「侍ジャパン」の全員が黙とうをささげた試合だった。12年前の「3.11」に東日本大震災で父と祖父母を亡くした右腕が、鎮魂のマウンドで剛速球を投げ込んだ。
佐々木は、気迫のこもった160キロ以上を連投し、4シーム36球の平均球速は160.6キロをマークした。
日本通で知られるメジャー解説者のバーランダーさんも肉親を亡くした右腕のことをツイッターで紹介し、最後に「GO Roki」と拍手と日の丸の絵文字を付けて結んだ。
Tonight, as Roki Sasaki takes the mound, it will be one special moment.
— Ben Verlander (@BenVerlander) March 11, 2023
12 years ago to the day, Sasaki lost his father and grandparents in the Tsunami.
To be able to represent Team Japan, on a date like this, is a special moment for him and the entire nation.
Go Roki 👏🇯🇵 pic.twitter.com/mgpzZvpkYd
佐々木はWBCの日本選手では最年少の勝利投手になり、チームは3連勝で1位突破に王手をかけた。
地元愛を貫いた佐々木朗希
父・功太さんは37歳の若さで命を落とし、祖父母も奪われた。スタンドでは母・陽子さん、弟・怜希さんも白い代表ユニホームを着て拍手を送った。
津波で家もすべてが流され、岩手県陸前高田市から大船渡市への移住を余儀なくされた。
それでも「地元が大好き」と言う。有名高校からの誘いを断って地元の高校でプレーした。成人式は陸前高田市と被災後に育った大船渡市との2カ所で出席した。
2つの地元でパブリックビューイングが開催され、お立ち台で「応援は本当に力になる」と感謝した。
気は早いが、数年後、メジャーリーグのマウンドで活躍する佐々木が見たい。東北だけでなく大谷翔平のように日本中に「勇気」を与えられるような存在になってほしい。
今日のヒーロー🇯🇵🔥
— ダルビッシュ有(Yu Darvish) (@faridyu) March 11, 2023
お疲れ様でした!#WBC2023 #TeamJapan pic.twitter.com/8tIh73w2uj