アメリカではご存じのように11月の第4木曜日に「Thanksgiving Day」(感謝祭)だが、それが終わって来週からはウィンターミーティング。通常では、話題の大物選手や先発投手など契約金の高い選手を中心に移籍市場も順に動き出していく。
MLB移籍情報
デグロムの契約は投手史上6番目の大型契約
今季もゆっくりだが移籍市場も動き出したようだ。現地12月2日(日本時間3日)、レンジャーズはメッツからフリーエージェント(FA)となっていた先発右腕ジェイコブ・デグロムを獲得したことを発表した。
ESPNのジェフ・パッサン記者によると、総額1億8500万ドルの5年契約で、条件付きの2028年のオプションが行使された場合、6年間の総額は2億2200万ドルになるという。
ゲリット・コール(総額3億2400万ドル)、スティーブン・ストラスバーグ(同2億4500万ドル)らに次ぐMLB史上6番目に大きなFA投手の契約になった。
BREAKING: Right-hander Jacob deGrom has signed a five-year, $185 million contract with the Texas Rangers, sources tell ESPN. Physical is passed. Deal is done. Includes conditional sixth-year option that would take total deal to $222 million. Full no-trade clause. A massive haul.
— Jeff Passan (@JeffPassan) December 3, 2022
この契約には、全球団に対するトレード拒否権も盛り込まれているようだ。
個人的か感想だが、34歳の投手で、これまでも243日間も負傷者リストに入っている右腕と5年契約は長すぎるような気がする。
デグロムは2019年から2年連続でサイ・ヤング賞を受賞し、短縮シーズンの2020年にもサイ・ヤング賞投票で3位にランクインするなど、実績は抜群で、ニューヨークのスター選手だった。
今回の契約、年平均3700万ドルはこれまでの実績に応じて決まった気がするが、高価な契約だった。
レンジャーズは先発ローテーションの中核となる投手を探していたが、エース格として5年間平均で少なくとも162イニング以上投げられるのか疑問だ。
デグロムは今季メッツで11試合に先発して64.1イニングしか投げていない。昨季も故障で15先発にとどまっており、2年連続で満足に稼働できていないシーズンが続いている。
レンジャーズファンからするとレンジャーズの日本における人気なんてほとんど無いに等しいから、みんなどうでもいいことだと思うが、どうかジョーカーにならないことを祈る。
Everything's bigger in Texas, including the signings. pic.twitter.com/AkBVuP9dKD
— MLB (@MLB) December 3, 2022
レンジャーズのクリス・ヤングGMは「今オフの目標は先発ローテーションの強化だったが、最高のピッチャーの1人を獲得することができた。レイ・デービスを筆頭とするオーナーグループとともに、アーリントンの地に勝利の文化を築いていきたい」とご満悦だったということだが、どうだろうか?5年後に答え合わせしてみたい。
来季ぐらいはそこそこ費用対効果に見合う成績を出してくれそうだが、その先、4年後、5年後にコスパの悪い選手にならないことを祈りたい。
勝負モードに移りつつあるレンジャーズだが、ヤングGMの大きな賭けだといえるかもしれない。杞憂にならないことを祈りたい。