メジャーリーグでは「inside-the-park home run」と呼ばれている「ランニングホームラン」を鈴木誠也がケガからの復帰戦でマークした。
MLB2022 鈴木誠也が復帰戦で快挙
カブスで8人目、チーム最速ラン
カブスの鈴木誠也外野手が4日(日本時間5日)、敵地でのブリュワーズ戦に「4番・右翼」で39日ぶりに復帰した。
鈴木は復帰戦だったが、9回の同点の場面から起死回生のランニング本塁打を放つなど4打数2安打1打点で存在感を発揮した。
デービッド・ロス監督も「興奮したよ、本当に興奮した」と語った一撃は、カブス選手では、ハビアー・バエズ内野手(現タイガース)が2017年8月7日のジャイアンツ戦でマークして以来5年ぶり。2000年以降では8本目。
Go-ahead inside-the-park home run for Seiya Suzuki! pic.twitter.com/hLqj5Idd4i
— Chicago Cubs (@Cubs) July 4, 2022
9回同点の場面で何とかしたかったのかもしれない。相手の投手は絶対的守護神のジョシュ・ヘイダーだった。
最強クローザーから放った一撃はフェンス直撃弾だったが、跳ね返った角度がラッキーだった。鈴木は一気に生還した。
MLB公式サイトによれば、2015年のスタットキャスト導入以降、カブス選手が放った3本のランニング弾では最速で、そのスピードは今季チーム最速だったらしい。
また、ブリュワーズの本拠地でビジター選手がランニング弾を放ったのは2018年5月4日ののスターリング・マルテ(パイレーツ⇒現メッツ)以来だった。
鈴木はここでも勝負強さやポテンシャルの高さをカブスファンにアピールした。
それでもカブスはサヨナラ負け
ただ、残念だったのは、味方のリリーバーが崩れて決勝打にならなかったことだ。
カブスは、ロバートソンが9回裏に二死満塁のピンチを招き、イェリッチに押し出し四球を与えて2対2の同点にしてしまった。
そして、最後は10回裏にエフロスがカラティニに7号3号スリーランを浴びて2対5でサヨナラ負けした。
なんだか大谷翔平のエンゼルスを見ているようなパターンで、カブスは中部地区4位。32勝48敗(勝率.400)借金16と沈んでいる。
鈴木の殊勲打が台無しになってしまったが、これで鈴木の今季の打率は.252、本塁打5、打点22、出塁率.347、OPSは.802となった。
鈴木のランニング弾は日本人3人目
日本人メジャーリーガーのランニング弾はオールスターでのイチローが有名だが、公式戦でのランニング本塁打は松井稼頭央(メッツ)が2006年4月20日、青木宣親(ブリュワーズ)が2012年4月20日に記録している。鈴木は3人目だ。
メジャー147年の歴史で初、3種類の本塁打が飛び出す!
この試合は鈴木の「ランニング本塁打」、ベラスケスの「メジャー初本塁打」、カラティニの「サヨナラ本塁打」が飛び出した。米データ専門のスタッツ社によれば、この3タイプのアーチが1試合で放たれたのは、147年のメジャー史でも初だった。