MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

エンゼルスのウォードが代打で同点弾 期待外れのドライチから覚醒

 

ウォードが土壇場で同点弾

 

この春のサプライズ選手の一人としてMLB公式サイトでも選出されたテイラー・ウォードが現地11日(日本時間12日)のレイズ戦GAME3でも存在感を見せた。

 



 

走塁中にハムストリングを痛めて数試合を欠場していたウォードだったが、2点ビハインドの8回裏に代打で登場。

 

レイズの先発マクマラハンから代わった2番手のキトレッジが投じた5球目95.7マイルのシンカーを捉えてレフトスタンドへ弾丸ライナーの7号同点2ランを突き刺した。

 

 

 

この一撃で2対2の同点になり、この日、「二刀流デー」だった大谷翔平の敗戦がなくなった。

 

大学でジャッジとチームメイトだったウォード

テイラー・ウォードはオハイオ州出身の29歳。2015年のMLBドラフト1巡目(全体26位)でエンゼルと契約。カリフォルニア州立大フレズノ校時代は強肩として有名な捕手だった。ヤンキースのアーロン・ジャッジともチームメイトだった。

 

その後、2018年に三塁手にコンバートされ同年8月にメジャーデビューを果たしたが、出場40試合で打率.178、本塁打6、打点15だった。

 

2019年からは外野の守備にも就き、2020年は正三塁手アンソニー・レンドンが加入したために外野中心で起用され、出場34試合で打率.277をマークした。

 

ただ、チームにはブランドン・マーシュジョー・アデルという2人の外野手が有望株として台頭し、ウォードの影は薄かった。

 

今季もレフトのレギュラーとしてマドン監督から指名されていたものの開幕直前に左鼠径部を痛めたため負傷者リスト入りして開幕を迎え、ようやく4月16日のレンジャーズ戦から復帰した。

 

ウォードとウェイド

復帰戦では、いきなり今季1号&1盗塁の活躍。4月27日の試合ではロジャー・マリスに次いで史上2人目となる「二塁打三塁打+満塁弾+4得点」という珍記録を残して週間MVP(4月25日~5月1日)まで獲得。

 

今季はヤンキースから俊足のタイラー・ウェイドがトレードで新加入して「テイラー・ウォード(Taylor Ward)」と「タイラー・ウェイド(Tyler Wade)」がややこしくて仕方なかったが、このところの大活躍で何となく覚えてしまった。

 

ウォードはトラウトが驚くほどの“努力の虫”らしく、アデルの不味い守備をみせられたので、慣れないライトの守備でも何となく頼もしく見える。

 

大谷に代わって1番に入ってからの印象が凄く、エンゼルスの切り込み隊長として「期待外れのドライチ」といわれた汚名を返上している。

 

今季ここまで23試合で打率.367、本塁打7、打点17、四球19、出塁率.490、OPS1.199。

 

ウォードの本塁打で土壇場で追いついたエンゼルスだったが延長タイブレークの末、10回に2失点を許して負けてしまうところが、詰めの甘いエンゼルスらしい。

 

それでも過酷な20連戦を13勝7敗の好成績で乗り切ったのは大きい。