過酷な20連戦というスケジュールの19戦目、ホームに東部地区の強豪レイズを迎えた大事な一戦で22歳のルーキー左腕、リード・デトマーズが偉業を成し遂げた。
リード・デトマーズがノーヒッター
エンゼルスのリード・デトマーズ投手は10日(日本時間11日)、自身初のノーヒッターを達成した。
先発投手のノーヒッターは今季メジャー初。エンゼルスでも2019年7月12日のマリナーズ戦での継投による達成と単独では2012年5月2日のツインズ戦でジェレッド・ウィーバーが記録して以来、10年ぶり。
デビュー11試合目のリード・デトマーズ
デトマーズは、野球の名門ルイビル大出身。父クリスさんはカージナルス傘下の元マイナー選手。
2019年には米国大学代表選手として来日し、2020年MLBドラフトのエンゼルス1巡指名(全体10位)でプロ入り。すでに昨年8月にメジャーデビューしており、5試合に登板して1勝3敗。
開幕前のMLBパイプラインの評価では球団別ランキングでエンゼルス内1位の評価を受けているトッププロスペクトだ。
今季は開幕から先発ローテーションに入り、この日で6試合目の先発登板で、メジャーデビュー11試合目で大記録を達成したことになる。
タイプ的にはカブスやレッドソックスなどで活躍したジョン・レスターのような投手。最速でも93.9マイルのフォーシームで、この日も奪三振は2のみ。
ゆったりとしたフォームから71~72マイルの大きく縦に変化するドロップカーブと制球の良いスライダー、チェンジアップで早めに相手打者を追い込み凡打の山を築いた。
108球(ストライク68)を投じて許した走者は四球(6回)と一塁手のエラー(7回)による2人のみだった。
投打がかみ合った勝利
エンゼルス打線は、レイズ先発の元サイ・ヤング賞投手コリー・クルーバーから3回まで2本塁打を含む8得点。
マイク・トラウトが2本塁打(2回、8回)、昨日エンゼルスで初マスクをかぶったチャド・ウォーラック捕手に今季第1号(3回)が飛び出して大量リード。
7回終了時点でアンソニー・レンドン三塁手を除く先発全員安打だったが、そのレンドンも8回に相手の野手投手の打席で左打席でライトスタンドに放り込む4号2ラン。
大谷翔平は「3番・DH」で出場。メジャー100号本塁打こそ出なかったものの4回に低めの変化球に対応した技ありのセンター前ヒット。
8回にはライトフェンス直撃の二塁打で5打数2安打。今季の打率は.258、OPS.770に上昇している。明日の20連戦最終戦の先発登板が楽しみだ。
ANTHONY RENDON GOES YARD IN HIS FIRST LEFTY AT-BAT‼️
— SportsCenter (@SportsCenter) May 11, 2022
(via @MLB) pic.twitter.com/GAMuoO5YOo
この試合は、大谷翔平のMVP受賞セレモニーから始まって、デトマーズ投手の快挙。先発全員安打、トラウトの2発、レンドンの左打席のアーチ、今季チーム最多の18安打など、明日の大谷登板試合が心配になるくらい打ちまくった。
投打がかみ合ったということだろうが、様々なことが起こった“てんこ盛り”の試合だった。
これでエンゼルスは20連戦13勝6敗。西部地区首位キープの21勝目で、貯金を「10」に伸ばした。
明日は大谷翔平が先発登板する予定。今季の大谷翔平投手は5試合で3勝2敗、防御率3.08、WHIP1.03、被打率.214、奪三振41、奪三振率14.01。
今後のスケジュール
同地区ライバルのアストロズとの対戦は7月までない。この後は5月最終のブルージェイズ4連戦までは、タフな相手ではない同地区のアスレチックスと7試合、レンジャーズと5試合。
下位チームが相手で、ここで1勝でも多く貯金を作っておきたいところだ。コロナ感染でカート・スズキ捕手とマックス・スタッシー捕手が離脱している。チーム内に蔓延しないことを祈りたい。