大谷翔平がフェンウェイで躍動
大谷翔平の球史に残るフェンウェイパークでのマウンドを興奮しながらお伝えしたい。
記録づくめの一日だった。まず、投球内容が凄かった。
大谷翔平投手がメジャー最古のボールパークでレッドソックス相手に「3番投手・DH」で出場。
1919年のベーブ・ルース以来、103年ぶり
投手が打順の1~4番に入って先発出場したのは、1919年9月20日のベーブ・ルース以来(ホワイトソックスとのダブルヘッダー第1試合)、103年ぶり。
今季5試合目の先発登板で、7回99球を投げて被安打6、奪三振11、無四球、無失点という圧巻の投球で、今季3勝目を挙げた。
投球内容が記録的
大谷は99球中81球がストライク。この記録をカウントするようになった1988年以降で50球以上投げた投手に限ると81.8%のストライク率はフェンウェイパークで登板したビジターチームの投手では史上最高。
初めてのマウンドで好結果を出したのは今後の野球人生でプラスになるだろう。
空振り29スイングは自己最多
ESPNによると、大谷が奪った空振りは29スイングで自己最多。今季メジャー全体でもトップだという。直近15年間のエンゼルスの投手では、昨年パトリック・サンドバルが6月6日のマリナーズ戦で記録した32スイングに次いで2位。
この日はスライダーのキレと制球が抜群だった。
Shohei's slider is one of the best in the game.
— MLB Stats (@MLBStats) May 5, 2022
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大谷は、チーム全体の投手事情も考えてイニング数を稼ごうとした。試合後のインタビューで「どんどんゾーンの中で攻めていこうと思っていた。中継ぎも結構使っていましたし、なんとかイニングを長く投げられるようにと。結果的にそうなったので良かった」
ただし、球数を考えた結果、勝負に焦り、その球を捉えられたシーンもあった。
しかし、「いい投球ではあったと思いますが、得点圏も多かったですし、その中で守備に助けてもらったプレーもあったと思います」。その部分は自覚しながら反省していた。
確かに守備の人、ベラスケス遊撃手の好守備も光った。
打者大谷も4回表に相手のベテラン左腕リッチ・ヒルからチーム唯一となるヒットで出塁、8回表には左翼フェンス直撃のタイムリーヒットを放ち、4打数2安打1打点の活躍で勝利に貢献した。
フェンウェイで先発投手の安打は2人目
フェンウェイパークで先発投手が安打を放ったのは1996年ロジャー・クレメンス以来ということで、1973年にDHが採用されて以降、フェンウェイパークの先発投手による安打は大谷とクレメンスだけ。
Ohtani with a 400 foot single 😅pic.twitter.com/MZ1fmSQakV
— FOX Sports: MLB (@MLBONFOX) May 5, 2022
今季の投手成績
これで投手成績は3勝2敗、防御率3.08、WHIP1.03、26.1イニングで奪三振41(K/9=14.01)、被打率.214。奪三振数41は4位タイ。トップのコービン・バーンズと3差。
今季の打撃成績
打者としては、打率も.240とややアップ。本塁打4、打点13。出塁率.301、長打率.394、OPS.695。
過酷なスケジュール
前日は延長戦で午後11時に試合終了。一夜明けの午後1時35分開始のデーゲームでの登板になったが「体的には正直しんどかったですけど、ある程度早めに寝ていい準備ができたかなと思います」。
前夜は「寝られましたね。ただ、それなりに長いゲームだったので遅かったですし、時差もあるのでそこら辺は体的には重いなという…でもギリギリまで、(球場に行く)バス(のホテル出発時間)が遅かったので、午前10時ぐらいまでは寝てました」
偉業の裏には過酷なスケジュールと戦っていることも忘れてはいけないだろう。
この日、4打点をマークして大谷を援護射撃した同僚のジャレッド・ウォルシュも試合後のインタビューで大谷を高く評価している。ジョー・マドン監督のコメントと合わせて紹介したい。