毎回ピンポイントに的を絞ったテーマと豊富なデータで野球の奥深さを探求する検証ドキュメンタリー「球辞苑」。
野球オタクの番組「球辞苑」
野球好きが集まって、選手や研究者のVTR証言を基にアツく盛り上がるスポーツバラエティー番組。2014年から始まったNHK-BSの番組だが、2017年2月25日放送のテーマは「ストレート」だった。
興味深い内容だったので紹介したい。番組の調べでは2016年プロ野球の投手が投じた球種の割合は、
- ストレート→45.8%
- スライダー→19.5%
- フォーク→9.1%
- シュート→7.3%
- カーブ→7.0%
- チェンジアップ→5.5%
- カットボール→4.8%
- シンカー→0.9%
ストレートも多様化してツーシームなど、同じストレートでも球質の違う動く球が増えてきたという。
さらに、2016年でストレートの割合が多かった投手BEST3は、
- 第2位 南昌輝(ロッテ)67.0%
- 第4位 ジョーダン(中日)65.7%
- 第5位 バルデス(中日)65.2%
※総投球数1,000球以上(データスタジアム調べ)
縦回転を意識したボールを生み出す握りや秘訣を解説してくれた藤川球児氏のインタビューは説得力があった。
しかし、プロ入り後も鳴かず飛ばずだった藤川の運命を変えたのはピッチングコーチに就任した山口高志氏(関西大学野球部コーチ)の存在だった。
山口氏は元阪急のクローザー。ホントに早かった。近鉄ファンだったので山口さんの登場は近鉄ファンからすれば敗戦を意味していた。
藤川は、この恩師の指導で投球フォームを変えて球威がアップしたという。
具体的には「沈みこまず、右ひざを折らないで角度を出す」フォーム。これで見違えるようになったと振り返った。こうした山口氏へのインタビューも貴重だった。
番組では、元中日の速球王。与田剛氏もVTR出演。ストレートの練習法を紹介。アマの指導者も必見の内容だった。
球速よりスピン量「回転数」の話題では、ダルビッシュ有が第3位の2591.1回転/分も紹介していた。
やっぱりここに触れなくては検証は浅いものになる。ちなみに、メジャーの平均は2261.8回転。第2位はサイ・ヤング賞のマックス・シャーザー、第1位は三振王ジャスティン・バーランダーだった。
メジャーのトレンドは球速よりもスピン量。このブログでも以前に紹介したが、上原浩治氏の2400回転を超えるストレートはスピードガンの表示以上に威力がある事が良くわかる。
NHK BS-1
2017年2月25日 午後11時00分~午後11時50分
【ゲスト】今中慎二
【司会】徳井義実
【出演】神事努,キビタキビオ
【リポーター】塙宣之
【語り】土屋伸之
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