筒香嘉智に力強い当たりが戻ってきた。12試合ぶりとなる8号ソロ本塁打を放った。筒香の生き残りをかけた来季の契約を考えてみた。
筒香、先制ソロ本塁打
パイレーツ筒香嘉智外野手が20日(日本時間21日)、敵地でのレッズ戦に「2番右翼」で出場。9月5日以来、12試合ぶりとなる8号先制ソロ本塁打を放った。
初回の第1打席だった。レッズ先発右腕ブラディミール・グティエレスの初球、フロントドアの94.3マイル(約151.8キロ)フォーシームを捉え右翼席へ8号弾丸ライナーを突き刺した。
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筒香は3回の第2打席でも走者一、二塁の場面からセンター前に痛烈に抜けるタイムリー安打を放ち2打点。
これで今季の通算打率は.223、本塁打8、打点28、四球26、OPS.734だが、パイレーツ移籍後は、31試合で打率.306、本塁打8、打点21、四球13、出塁率.394、長打率.682、OPS1.076で依然として好調をキープしている。
2番から4番打者としての起用が多く、チームの主軸としての位置を固めつつある。今後は残り12試合で、本塁打数をインパクトのある10本塁打(二桁本塁打)に乗せて、パイレーツ残留、契約更新を勝ち取りたい。
来季、筒香嘉智の162試合での活躍を見たい気がしてきた。この活躍を前半戦にしていたらオールスター選出も夢ではなかった。
大谷同様、それでもパイレーツはレッズに追いつかれて逆転負けしたが、筒香の輝きはピッツバーグファンの脳裏に刻まれているはずだ。
パイレーツの外野陣に筒香はフィットするのか?
パイレーツは再建期のチーム。外野陣はセンターのブライアン・レイノルズ(3年目26歳)がレギュラーを約束されているぐらいで、両翼は空いている。強いて言えば元マリナーズのベン・ギャメル(6年目29歳)ぐらいがライバルだ。
ギャメルは左打者、112試合中、左翼で69試合、中堅17試合、右翼15試合、一塁4試合で起用されて筒香と重なる部分も多い選手だ。
パイレーツにはMLBパイラインのプロスペクト・ランキングで100位以内の有望選手が8人いるが、投手や捕手、内野手がほとんどで外野手はいない。
パイレーツはスモール・バジェット(低予算)のチームの為、全体のペイロールは低く、野手では正一塁手のコリン・モランの280万ドルが一番高いぐらい。前述のギャメル外野手も150万ドル。
メジャー平均年俸が2019年405万ドル、2020年389万ドル(60試合を162試合で試算して)だから、平均以下の選手がほとんど。
筒香の年俸は今季700万ドルで、パイレーツとの契約更新は厳しいが、チームの相場で考えて筒香が年俸ダウンを受け入れればパイレーツと契約を更新できる可能性は十分にあるとみたい。
筒香は来季30歳。来季1年は冷や飯を食う覚悟で年俸ダウンを受け入れて1年間(162試合)で実績を作る。このパイレーツでの活躍を認められてレギュラー扱いで規定打席以上出れば、数字は付いてくるだろう。
仮に打率.250程度でも30本塁打、100打点以上なら、チーム本塁打数はMLB最低のパイレーツからすれば大きな戦力だ。そうなれば2022年以降、どこかのチームで今季並みの年俸と複数年契約を結ぶことができるだろう。