まだシーズンが終わったわけではないが、面白い記録が生まれそうなので紹介したい。
コービン・バーンズのFIPが凄い!
ブリュワーズの右腕コービン・バーンズが記録的なシーズンを作ろうとしている。まずは、下のツイッターを見ていただければ、データ通の人には一目瞭然だろう。データに疎い筆者でもわかる。
そして注目は彼の突き刺すようなバックドア(外角)へのカットボール(カッター)だ。
Lowest single-season FIP marks, last 110 years (min. 120 IP):
1.39 Pedro Martinez, 1999
1.58 CORBIN BURNES, 2021 🤯
1.63 Hal Newhouser, 1946
1.69 Dwight Gooden, 1984
1.77 Bob Gibson, 1968
Burnes: 12.2 K/9, 1.7 BB/9, 0.3 HR/9...unreal. https://t.co/lE5Oor6hdK
— Codify, Inc. (@CodifyBaseball) August 31, 2021
バーンズは大谷翔平世代ともいえる26歳右腕だ。このブログでも「開幕から無四球での連続三振記録」で彼のことを何度か紹介したが、その記録は「58」で途切れた。
今季ここまでのスタッツは、23試合の先発登板で防御率2.27、FIP1.58、9イニング換算の奪三振(K/9)12.2で、三振率は34.6%。それでいて9イニング換算の与四球率(BB/9)1.7と少ない。9イニング換算の被本塁打率も(HR/9)0.3。
もちろん、これだけの好投を続けているので勝ち星もついてきて9勝4敗。MLB30球団中26位のチーム打率、同18位のOPSという貧打のブリュワーズを地区首位にけん引する活躍だ。
この成績が評価され自身初となるオールスターゲームに選出された。そのオールスターでは2回表に先発投手のマックス・シャーザーの後を受けて2番手として登板したが、3回にブルージェイズのゲレーロJR.に本塁打を献上するなど敗戦投手になってしまった。
■バーンズの今シーズンのFIPに注目
彼のFIP1.58はMLBの過去110年間で見ても類まれな数値だ。
1.39 Pedro Martinez, 1999
1.58 CORBIN BURNES, 2021
1.63 Hal Newhouser, 1946
1.69 Dwight Gooden, 1984
1.77 Bob Gibson, 1968
※投球回数120以上
1964年のボブ・ギブソンや1984年のドワイト・グッデンといった往年のレジェンドたちよりも上位で、1950年以降では1999年のペドロ・マルティネスに次いでMLBで2番目の数値だから凄い。
ご存じのようにFIP(Fielding Independent Pitchin)とは、セイバーメトリクスの指標で、直訳すると「守備から独立した投球内容」。失点のみを使って投手を評価する防御率(ERA)より守備の要素や運の要素を排除した投手の純粋な能力を表す指標といえる。
被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価し、防御率と同様に数値が低いほど投手の能力が高いことを示す。
その象徴的なシーンが8月11日(日本時間12日)のカブス戦で、バーンズは、10者連続奪三振を達成。これは史上4人目のMLBタイ記録だ。
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Corbin Burnes' FIP this season would rank in the top 10 all time, joining Pedro Martinez as only ones in the group to do it after 1950.
Burnes' 6.3 fWAR is second in all of baseball to Shohei Ohtani. pic.twitter.com/cerB3zzqwm
— Will Sammon (@WillSammon) August 31, 2021
バーンズの総合評価であるfWAR6.3は大谷翔平に次いで2位だ。大谷同様、MVPクラスの活躍をしている。