6月に入って7月末のトレードデッドラインまで2ヵ月を切った。最初の2ヵ月が過ぎてここからの2ヵ月間は、チームの順位を横目で見ながら今後の方向性を決める時期がやってきた。
メジャーリーグ移籍情報
ここでは、時期尚早かもしれないが、トレード期限前の注目選手を紹介していきたい。
来月からトレード市場が形成され始めると、マックス・シャーザー(ナショナルズ)、トレバー・ストーリー(ロッキーズ)、ネルソン・クルーズ(ツインズ)、マシュー・ボイド(タイガース)、ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ)、ミッチ・ハニガー(マリナーズ)を取り巻く多くの憶測が飛び交うのは間違いない。
ヤンキースが左打者を必要としているという噂もあるが、シャーザーやハニガーなどは今月の戦い方次第では8、9月にチームをけん引する大きな戦力になるから放出されない可能性も高く、今後の成り行き次第で予測しにくい部分であることは間違いない。
目立たないが動きがありそうな3選手は?
今日紹介するのは、以下の3選手。スターター1名、野手1名、リリーフ1名の目立たないタイプの3名だが、期限前にトレードが予想される選手だ。
①カイル・ギブソン投手(レンジャーズ)
③ダニエル・ハドソン投手(ナショナルズ)
■カイル・ギブソン
①カイル・ギブソンは今季開幕投手を務めた先発右腕。オフシーズンにレンジャーズがランス・リンをトレードした時、彼はチームの先発ローテーションのエース格になったが、その期待に応え今季はここまで、11試合に先発して4勝0敗、65.2イニングで防御率2.06、WHIP1.005の好成績で最下位に沈むチームの中でも輝いている
19年12月に3年総額2800万ドルで契約したが、ツインズの7年間では通算防御率4.52(FIP4.29)と浮き沈みはあるが、今季の成績なら22年の年俸700万ドルは手頃な価格だろう。
フィットしそうな移籍先は、カージナルス、ブルージェイズ、レッドソックス、ブレーブス、カブス、アスレチックス。
■アダム・フレイジャー
②メジャー6シーズン目、29歳のアダム・フレイジャーは右投げ左打ちの二塁手。パイレーツでは内野の各ポジションと外野手としても活躍している。2019年に152試合に出場し、打率.278、出塁率.336、長打率.417で10本塁打を放ち、50打点を叩き出した。
安打数(154)、本塁打数、塁打数(231)はキャリアハイで守備率.989は、ナショナルリーグの二塁手の中で2位。初めてゴールドグラブ賞にもノミネートされた。
長打力はないが、バットをボールに乗せる技術があり空振り率(12.1%)や三振率(10.8%)の低さはリーグでも屈指だ。
今季はここまでほぼ全試合に出場して打率.332、出塁率.394、OPS.865。彼は、一発の破壊力はないが、ラインナップにさらなるバランスを求めているチームに最適かもしれない。
ヤンキース、ブルージェイズ、インディアンス、カブス、レッドソックス、レイズ、ジャイアンツ、ブレーブス、メッツがフィットしそうなチームだ。
■ダニエル・ハドソン
③34歳のダニエル・ハドソンは、今季22試合22.2イニングに登板、防御率2.38。キャリアワーストだった昨年から与四球率と被本塁打率を大幅に改善させて、キャリア最高の 36.8% の奪三振率を記録している。
ナショナルズが引き続き苦戦する場合、ナショナルズのワールドシリーズ初優勝に貢献した経験もあり多くのチームがトレードを希望してもおかしくない。
ポストシーズンでのリリーバーの需要を考えるとブレーブス、ジャイアンツ、アスレチックス、カージナルス、アストロズ、レイズ、パドレスなど10月に戦うことが予想される多くのチームが彼を欲しがるだろう。