2019年からから夏のトレードデッドラインが7月末に一本化されたMLB。
やや気が早いかもしれないが、ここではその「売り手」球団を検討したい。気が早いと書いたのは、6月の展開次第で、例えば現時点で下位の球団でも10連勝ぐらいすれば順位が上がり、10月のポストシーズンへの可能性が出てくれば「売り手」が「買い手」に回る可能性もあるからだ。
夏のトレード期限前に「売り手」になりそうな球団は?
アメリカン・リーグ(AL)とナショナル・リーグ(NL)に分けてみていきたい。
アメリカン・リーグ
ALでは、10連敗中のオリオールズが勝率.340でリーグ最弱。お約束の位置に収まってきた。開幕はレッドソックス相手に3連勝で、4月は11勝14敗とそれほど悪くなかったのだが、5月は3連敗の後、4連敗で、ここにきて10連敗中。泥沼状態だ。
地区首位との差が早くも14ゲーム、チームの得失点差が60もあり、これは確定だろう。
次に酷いのが、タイガース(勝率.380)。中部地区ではロイヤルズが意外に持ちこたえて現在借金2で、直近2連敗するまでは勝率5割だった。
前田健太所属のツインズも調子が上がらず地区最下位が続いていたが、ここにきて4連勝中。前田が戻ってくれば多少は期待できそうだ。
西部地区のレンジャーズも今季はダメな予感がする。テキサスという土地柄は好きだが、ビジターで9勝17敗と大きく負け越しているのが痛い。現在も3連敗中で、先発ローテの一角として期待された有原航平の離脱もあり苦しい状況だ。
エンゼルスも50試合を消化して勝率.440、6月の戦い方次第で「売り手」になる可能性は十分ある。そうなると数名の選手の名が頭に浮かぶが、選手名は後日にしたい。
ナショナル・リーグ
NLではズバリ、ロッキーズ、パイレーツと11連敗中のダイヤモンドバックスの3球団だろう。
ロッキーズは、4月後半にゼネラルマネージャー(GM)兼取締役副社長を務めていたジェフ・ブライディッチが辞任した。その後の5月もここまで10勝16敗で勝率は.373。夏にオールスターゲームの開催が急遽決まったが、それぐらいが明るい話題だ。
パイレーツもピッツバーグのファンには失礼だが、予想通りの定位置だ。この地区はカージナルスとカブスにブルワーズが絡んでレッズあたりも弾き出されて「売り手」に回る可能性もある。
ダイヤモンドバックスも11連敗中で、ジャイアンツが調子がいいので、ドジャース、パドレス、ジャイアンツに叩かれて沈んでいきそうな予感がする。
メッツもシーズン前は優勝候補だったが、4月を9勝11敗と負け越し、4月の月間チーム打撃成績はOPS.667とMLB30球団中25位と低迷。通算得点数も30位、本塁打数30位(共に5月5日終了時点)だった。
その結果を受けて早々と打撃コーチのチリ・デービス、アシスタント打撃コーチのトム・スレーターを解雇した。それが刺激となったのか、現在は東部地区首位を走っている。
ただし、この地区はシーズン前から混戦が予想され、6月と7月の戦い方次第では、どうなるか予断は許さない。