様々な記録があるもので、「105年ぶり」と紹介されてもピンとこない記録もあるが、今回は地味だけど偉大な記録を紹介したい。それを調べ上げている記録オタさんたちには感心させられるし敬意をもって拍手を送りたい。
このブログでも4月28日に紹介したが、ブルワーズの先発右腕コービン・バーンズ投手が凄い記録を塗り替えた。
Corbin Burnes' 2021 has been historic. 🔥 pic.twitter.com/It6CMKKDeU
— MLB Stats (@MLBStats) May 13, 2021
バーンズは開幕からの5試合に先発登板して49三振を奪い与えた四球はゼロだったが、5回表二死からトミー・エドマンに今季初の四球を与えるまでに9つの三振を奪い「連続無四球登板を続けながら58奪三振」という新記録を作った。
考えてほしい6試合目の登板でようやく四球を出したということ自体が凄い。若手投手には手本にしてほしい。
MLB公式サイトによると開幕からの連続無四球記録(先発投手)はアダム・ウェインライトによる35奪三振で、この記録はすでにバーンズが日本時間4月21日のパドレス戦で塗り替えていた。
今回はケンリー・ジャンセンによるリリーフ投手も含む開幕からの連続無四球記録(51奪三振)を大幅に更新した。
本当にブルワーズファンぐらいしか気づかないような地味な記録だが、制球力もさることながら、奪三振数も凄い。緻密な積み重ねと球威の凄さを表した記録のように感じる。
バーンズの今季は6試合に先発して34.1イニングを投げ、防御率1.57、WHIP0.64、奪三振58(奪三振率15.20)、与四球1(与四球率0.26)。
開幕からではなくシーズン中の記録は、カート・シリングらによる「無四球を続けながら56奪三振」という記録があるが、それも塗り替えた。
覚醒した4年目右腕
バーンズはメジャー4年目の26歳。4月26日(日本時間27日)のアスレチックス戦では、記録まであと2まで迫った6回にアスレチックス打線につかまり4失点。記録を意識するあまりボールが中に集まったとの指摘もあったが、9奪三振で無四球だった。
2018年7月にメジャーデビューして19年には先発に転向したが、ブルペンでも結果を残せず32試合に登板し1勝5敗1セーブ、防御率8.82だった。
その男が今季は覚醒したのだから分からないものだが、昨季は12試合に登板し4勝1敗、防御率2.11と手応えを感じたシーズンだったので大ブレイクする予兆はあった。
今季の好調の原因はフォーシーム主体の投球からカットボール、シンカー、スライダーを駆使してボールを動かすスタイルを覚えたことが理由だ。この試合でも97マイルから98マイルの高速カッターが打者を苦しめていた。
とくに左打者のフロントドアに鋭く変化するカットボールは打ちにくそうに空をきる打者が多かった。バットに当ててもファウルしかならない感じだった。
こんな素晴らしい記録更新でもバーンズは負け投手になって3敗目だから、大谷翔平が好投しても勝ち星が増えないのと同じで、可愛そうな気がする。これだけデータ解析が進んでいる近代野球では、投手の勝敗は全く気にすることはないということだろう。
それよりもバーンズが、新型コロナウイルスに感染して2週間ぶりの登板になり、それで記録更新が中断していたことが気になる。そこまで新型コロナを気にしているMLBのプロトコルが、なんだか間抜けなような気がして笑えて来る。
Corbin Burnes is human.
— Rob Friedman (@PitchingNinja) May 13, 2021
And you can now calculate his K/BB ratio.
58:1 pic.twitter.com/Nug1hbdVZI