二冠王スタントン争奪戦に敗れたサンフランシスコ・ジャイアンツが補強の懸案事項だった外野手の整備で、最後のピースを埋めたようだ。
MLB契約情報
現地1月22日、ジャイアンツは、インディアンスからフリーエージェント(FA)のオースティン・ジャクソンと2年600万ドルで契約に合意した。
ファンラグスポーツのジョン・ヘイマンの報告では、この契約には600万ドル以外にもインセンティブで250万ドルが追加され最大で850万ドルになるという。
オースティン・ジャクソンは、メジャー9年目の30歳。昨年は、クリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加。3月27日にメジャー契約を結んだが、この2年間は主に第4の外野手として起用されてきた。
そのインディアンスでは85試合に出場して打率.318、7本塁打、35打点、OPS.869をマークした。「BASEBALL REFERENCE」のスタッツを比べると守備は本職のセンターでDRS(守備防御点)が+1で、マカッチェンに比べれば良く、外野は攻守ともに昨年より改善されたと言えるかもしれない。
バッティングの特長は、サウスポーに強いという事で、ジャイアンツのチーム内でNO.5にランクされているプロスペクトのスティーブン・ダガー外野手の成長を期待しながら、右投手には左打席のダガーを使って、ジャクソンを対左投手というツープラトンでの起用も考えられる。
ジャイアンツは先日、パイレーツからアンドリュー・マカッチェン外野手を獲得。守備力にやや不安が残るマカッチェンをセンターからライトにシフトさせて、ライトのハンター・ペンスをレフトへ回す編成だったが、センターが未定のままだった。
ゆっくりとした動きのFA市場にはジャロッド・ダイソン、ジョン・ジェイ、カルロス・ゴメス、そしてロレンゾ・ケインらの有力外野手が残っている。
本来なら、そうした外野手を獲得したいところだが、ジャイアンツの年俸総額は1億9,700万ドルの「ぜいたく税」まで500万ドル程度しか余裕がなく、大物選手は獲得できない状況だった。
MLB公式サイトの記事では、ジャイアンツのボビー・エバンスGMは「ジャクソンは才能に恵まれた選手であり、多目的に使うこともできる。我々のロースターを強化してくれるし、外野3ポジションに厚みを加えてくれるだろう」とコメントしている。