毎回ピンポイントに的を絞ったテーマと豊富なデータで野球の奥深さを探求する検証ドキュメンタリー「球辞苑」。今回のテーマは「ストレート」。
「球辞苑」ストレートの極意とは?
野球好きが集まって、選手・研究者のVTR証言を基に毎回アツく盛り上がるスポーツバラエティー番組だが、前回は「ストレート」という本命的なキーワードだった。
番組の調べでは2016年プロ野球の投手が投じた球種の割合は、
- ストレート→45.8%
- スライダー→19.5%
- フォーク→9.1%
- シュート→7.3%
- カーブ→7.0%
- チェンジアップ→5.5%
- カットボール→4.8%
- シンカー→0.9%
ストレートも多様化してツーシームなど、同じストレートでも球質の違う動く球が増えてきたという。
さらに、2016年でストレートの割合が多かった投手BEST3は、
※総投球数1,000球以上(データスタジアム調べ)
縦回転を意識したボールを生み出す握りや秘訣を解説してくれた藤川のインタビューは興味深かった。
しかし、鳴かず飛ばずだった藤川の運命を変えたのはピッチングコーチに就任した山口高志氏(関西大学野球部コーチ)の存在だった。
山口氏は元阪急のクローザー。ホントに早かった。近鉄ファンだったので山口さんの登場は近鉄ファンからすれば敗戦を意味していた。
この恩師の始動で投球フォームを変えて、具体的には「沈みこまず、右ひざを折らないで角度を出す」フォームで、見違えるようになったと振り返った。球威を生み出す山口氏へのインタビューも貴重だった。
番組では、元中日の速球王。与田剛氏もVTR出演。ストレートの練習法を紹介。アマの指導者も必見の内容だった。
近年注目されるスピードガンの球速よりスピン量「回転数」の話題では、ダルビッシュ有が第3位の2591.1回転/分も紹介していた。
やっぱりここに触れなくては検証は浅いものになる。ちなみに、メジャーの平均は2261.8回転。第2位はサイ・ヤング賞のマックス・シャーザー、第1位は三振王ジャスティン・バーランダーだった。
メジャーのトレンドは球速よりもスピン量ということだ。ここでも以前に紹介したが、上原浩治の2,400回転を超えるストレートはスピードガン表示以上に威力がある事が良くわかる。
BS-1 2月25日 午後11時00分~午後11時50分
【ゲスト】今中慎二
【司会】徳井義実
【出演】神事努,キビタキビオ
【リポーター】塙宣之
【語り】土屋伸之